少年が遺族会らと共に設置した仏像=25日、読谷村波平のチビチリガマ
少年たちは23〜25日、保護観察所のプログラムの一環で保護司らと共にチビチリガマを訪ねた。あらかじめ遺族会や金城さんが土台部分を制作した仏像に顔や腕を付けて完成させ、ガマ周辺に12体を設置した。3日間、ガマの中の遺骨にも手を合わせた。
【読谷】沖縄戦で住民が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた読谷村波平の自然壕チビチリガマを損壊した少年4人が25日、ガマ入り口にある「世代を結ぶ平和の像」を制作した金城実さん(79)らとガマ周辺を清掃し、新たに仏像12体を設置した。沖縄戦や「集団自決」の事実について、チビチリガマ遺族会(与那覇徳雄会長)から話を聞き、沖縄戦最大の悲劇に数えられる「集団自決」を語り継ぐ大切さを学んだ。
与那覇会長によると、少年たちは活動を終えて「歴史を知らず、大きなことを犯してしまった。今後、このような事件がないようにしたい。沖縄戦を伝えていきたい」などと述べ、改めて謝罪した。遺族の言葉にも真剣な表情でうなずいていたという。
与那覇会長は「自分たちで仏像を設置したことで、これからもガマを訪ねて手を合わせてほしい」と語り、「少年たちは反省していた。作業を通して変わったと感じた」と振り返った。金城さんは「作業着を着て、黙々と仕事をしている様子を見てうれしかった。少年たちが後世に沖縄戦を伝えることを期待している」と話した。
少年たちは昨年9月にガマ内部の折り鶴を引きちぎったり、遺品や看板などを破壊したりして、器物損壊の罪で逮捕され、保護観察処分を受けた。
ガマの入り口に設置された平和の像にも損傷が及んでおり、遺族会は今後、少年たちと修復作業を進めていくことを検討している。
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