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貫録漂うグランド食堂の骨汁

 

「骨汁」のおいしさに迫る!?

両親に連れられてドライブをしていたら、中部に「骨汁」と書かれている店がありました。あれって何ですか?

 

(大学1年生 ゆっきーなさん)

 

そうなんです、調査員も昨年初めて骨汁を食べまして。「何てグロテスクな料理なんだろう」と思っていたのに、実際に食べてみると人目もはばからず骨に付くわずかな肉を全てすっぷり、スープまで完飲したのを覚えています。

 

まずは「骨汁とは何ぞや?」と思われる読者のためにちょっと解説しておきましょう。沖縄そばの出汁(だし)スープを作る時に使用している豚の骨を、出汁を取った後そのまま捨てるのはもったいないからと、その余った豚の骨を使って汁物料理に仕立て上げたのが、「骨汁」です。調査員は、実際の沖縄市民に聞き込みをし、推薦してもらった骨汁有名店を直撃してみることにしました。

 

◇王道の老舗店に聞く

 

最初に到着したのは、沖縄市の「グランド食堂」。ここからは大の骨汁ファンで、2016年の一般社団法人沖縄青年会議所理事長の比嘉大志さんに同行してもらい、骨汁について詳しく教えてもらうことに。

 

「今日は骨汁を注文する人が多いですね。うち、骨汁専門店ではなく食堂なんですけどね」とほほ笑む、グランド食堂代表の渡辺久美子さん。 「こちらは骨汁の王道店で、沖縄市民と骨汁の話をしたら、必ずグランド食堂の名前が出てきます。味が少し薄めで骨が大きく、骨以外の具もたくさん入っているのが特徴でしょうか」と、比嘉さんが解説します。

 

渡辺さんが持ってきてくれたデッカイ骨汁を食べはじめると、骨以外にレタスやトウミョウ、コンブ、豆腐、ショウガがたっぷり。「この骨髄のトロッとしたところがおいしいんです。骨は割って食べられますよ」と比嘉さん。

 

アドバイスを聞きながら、骨を飛び散らせたり落としたりしながらも、おいしくほおばる調査員。うーん、幸せ!

 

「この店は創業31年目。母が立ち上げて、私で2代目」と渡辺さん。「オープン当初は骨汁に反応を示す客がいなかったのですが、今は20代から80代の方まで幅広く食べに来ます。一人で食べにくる女性客もいますよ。朝7時頃から骨汁用の骨を湯がき、カツオと塩などで少しの味付け。もう、時間じゃなく骨に追われています(笑)」

 

なかなか大変なお仕事なのですね。

 

「最初は、誰かに連れられて食べに来る人がほとんど。鍋やタッパーを持ち込んで持ち帰りする人もいます」

 

渡辺さんの話を聞いていると、厨房から赤ちゃんの笑い声が。「あの子は、きょう手伝いにきてくれている孫の愛莉の子ども『茉也』です」。4世代が骨汁をつなぐっていいなぁ。まさに骨つなぎ! とちょっぴり感動する調査員でした。

 

◇個性いろいろ

 

「調査員さん、実は那覇でも骨汁が食べられるんです」と比嘉さんが案内してくれたのは、松山のカクテルプラザ1階の「そばよし」。2013(平成25)年にオープン以来、そばで使った出汁骨とそばのスープを使い、客に提供してきたそう。場所柄か、深夜によく売れるとのこと。さっそく骨汁を食べてみると、透明スープであっさり味。そば店なので麺を追加し、店特製のコーレーグスを入れると、これまたうまい。

 

最後にもう一種類。演歌歌手で伊江島出身の糸山ゆり子さんが作る骨汁は、ソーキ汁風で大きめに切ったゴロゴロ野菜入り。ニンジンの皮はむかないのが特徴で、調味料は、みそと塩のみ。自宅と、繁多川交番斜め向かいの「カラオケゆり子」でよく出しているそう。

 

骨汁だけで、こんなに個性いっぱい。骨汁ツアーで本島一周したいなぁと思う調査員なのでした。

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