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スペイン語を交えた掛け声で子どもたちを指導するレアンドロ監督=4月27日、宮古島市平良西仲宗根の市多目的前福運動場

 

【宮古島】「ビエン! ビエン!(いいぞ)」。威勢のいいスペイン語の掛け声が、ボールを追う子どもたちが駆け回るフィールドに響く。今年4月に発足した宮古島初のサッカークラブチーム「インデペンディエンテ宮古島」の練習風景だ。監督に就任したアルゼンチン出身のレアンドロ・エルナン・ブロニスさん(37)の厳しくも優しい“熱血指導”が、子どもたちのサッカープレーヤーとしての心構えと人間性とを育んでいる。

 

「互いを尊敬し、規律を守ること。チームで同じ気持ちを共有することが一番重要。技術はその後から」と語るレアンドロ監督。練習は、サッカー指導をしながら教えているスペイン語でのあいさつから始まる。練習中も子どもたち一人一人の動きを細かくチェックし、それぞれに的確な助言を伝えながら密にコミュニケーションを取る。厳しい言葉の後には、「大丈夫、もっとできるよ」と一言添え、おどけた表情で緊張をほぐすことも忘れない。

 

インデペンディエンテ宮古島は昨年5月、アルゼンチンのサッカー名門クラブ「C.Aインデペンディエンテ」の公式支部として、JTAドーム宮古島を拠点にサッカースクール活動を開始した。対象は幼稚園児から中学生までで、現在スクールとチームを合わせて約70人が在籍している。

 

レアンドロ監督は母国アルゼンチンをはじめ南米やヨーロッパなど各国でのジュニア世代の育成に関わってきた。日本でのクラブチーム組織立ち上げに携わった後、宮古島で同チームの監督に就任した。

 

毎朝、子どもたちの年代別に練習プランを組み立て、各選手を集団能力と個人能力のそれぞれ9項目で評価して課題などを明確化している。「子どもたちが成長する姿を見るのは楽しい。そこにやりがいがある」とほほ笑む。「宮古全体のサッカーのレベル向上に貢献して、全国に宮古の存在感を示したい」と目標を語った。

 

チームに所属する佐良浜中2年の田名美星(はるき)さん(13)は「監督はみんなの心をうまく捉えていて、厳しく面白く、メリハリがある。サッカー技術のレベルを上げたいという意識を持つようになった」と目を輝かせた。中澤佑之介君(11)=平良第一小6年=は「楽しく上手になれる。もっとたくさん練習して、プロを目指したい」と夢を語った。

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