安室奈美恵の思い出や存在の大きさを語るガレッジセールのゴリ=那覇市内

 

県出身の歌手・安室奈美恵が引退する9月16日まで残り1カ月を切った。デビューから25年にわたる輝かしいアーティスト活動は国内外の人々を魅了し、勇気や希望を与えた。そのような安室の姿を同じ沖縄出身の俳優、アーティストらはどのように見詰めてきたのか。

 

―ゴリさんが東京で学業に励んでいた1992年に安室奈美恵さんがデビューした。どのように受け止めたか。

 

「注目していたが『沖縄の子が出てきたけど、どうなんだろう』とも思っていた。だからヒット曲を連発して、そこからMAX、DA PUMP、SPEEDと(多くの県出身アーティストがブレークした)あの時の勢いは信じられなかった。それまで沖縄は芸能界で日本一弱いポジションにいたと思う。南沙織さん、桑江知子さんらがいたが、芸能人がほぼ出ないし、成功例が少なかった」

 

―安室さんが紅白歌合戦に出場した95年に吉本興業に入りガレッジセールを結成した。安室さんに影響を受けたか。

 

「道が全然違うが(安室の存在は)うれしかった。『拳銃を撃ったことはあるのか』と聞いてきたり、沖縄と本土に時差があると思っていたり、沖縄を変に思っている人がまだいた。なまりがばれるのも照れたし、標準語の勉強をいっぱいした。でも安室ちゃんが、沖縄出身と言えばみんながうらやましがる環境に変えてくれた」

 

―テレビの企画で安室さんのライブにも出演した。

 

「安室ちゃんのコンサートに出るのは、うれしいというよりプレッシャーが大きかった。コンサート内で(ダンスの)ヘッドスピン10回転を成功させるという企画が乗っていたし、安室ちゃんの曲に参加もした。その踊りも速いし難しい。安室ちゃんはMCを挟まず、こんなに難しいものを何十曲、3時間も歌って踊りっぱなし。“化け物”だと思った。だから安室奈美恵ってスターなんだと感じた」

 

―引退への受け止めを。

 

「早い引退だと言う人もいるけど、あれだけ全速力で走り続けた人生なので彼女の中で一生分走ったんじゃないか。ようやく違う人生をゆっくり歩いて送れる。そういう意味で彼女の新しい人生が始まるんじゃないか」

 

―安室さんに声を掛けるとしたら。

 

「県出身者が芸能界に入りやすくなり、さらに活躍できるんだと(思える)道をつくったのは安室ちゃんだ。安室ちゃんが成功例を出してくれたから県出身の女優さんも多く出てきた。『沖縄出身ってかっこいいんだ』『歌うまい人多いよね。踊りうまい人多いよね』と当たり前に言われる状況をつくってくれた。道をつくってくれてありがとう」

 

(毎週金曜日掲載)

 

ガレッジセール・ゴリ 1972年5月22日生まれ。那覇市出身。95年に中学の同級生・川田広樹とガレッジセールを結成。テレビや舞台に出演するほか、本名の照屋年之名義で映画を撮影するなど多岐にわたり活躍している。

 


 

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