パーントゥに泥を塗られて泣き叫ぶ子どもと喜ぶ母親=8日、宮古島市平良島尻 画像を見る

 

【宮古島】全身に独特のにおいのする泥をまとい、仮面をかぶった異形の神が人や物に泥を塗って厄払いする、宮古島市平良島尻の伝統行事「パーントゥプナハ」が8日から9日にかけて、同集落で行われた。地域住民や観光客など多くの人が駆けつけ、集落には歓声と悲鳴が響き渡った。

 

島尻のパーントゥは国指定重要無形民俗文化財で、毎年旧暦9月ごろに行われる。3体のパーントゥは午後5時すぎ、集落の外れにある「ンマリガー(生まれ井戸)」から登場。待ち受けていた子どもたちや観光客から「来た」と歓声が上がり、カメラを構えていた報道陣も含めて顔や洋服に容赦なく泥を塗りつけた。

 

その後集落に入ったパーントゥは宗家に当たるムトゥを訪れて古老に泥を塗り、逃げ惑う子どもや地域住民、観光客らを追い掛け回した。初めてパーントゥを見た梅木華鈴さん(21)=福岡県=は「逃げる間もなく泥を塗られた。地域の人たちもみんなで盛り上がっていて、独特の雰囲気がとても楽しかった」と話し、泥だらけの顔で満面の笑みを浮かべた。

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