リップサービス
金城 晋也(きんじょうしんや)さん/榎森 耕助(えもりこうすけ)さん
関西弁の「せやろがい!」(そうだろうが、という意味)を決めゼリフに、気になる話題のもやもや感をスッキリ解消してくれる「せやろがいおじさん」。青い海を背景に、真っ赤なシャツとふんどし姿でまくし立てる姿が強烈だ。動画投稿サイト上でせやろがいおじさんを演じる「リップサービス」の榎森耕助さん、相方の金城晋也さんに話を聞いた。
「せやろがいおじさんブームは、想定外。注目されるといいなとは思っていましたが、ここまで拡散されるとはびっくりです!」と、榎森さんは自らが演じるキャラクターの人気ぶりに驚きの声をあげる。
コンビ相方の金城さんは、「この人気、いいんじゃないですか」と台風の目の中にいる気分で静観し、「僕がせりふを考えていると言われることがあり、否定も肯定もしません」と笑う。
「せやろがいおじさん」は2人の所属事務所、オリジン・コーポレーションが昨年開設した動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)チャンネル「ワラしがみ」で誕生した。
「の県内賞レースで結果を出しても生活はあまり変わらず、県外の賞レースには壁がある。漫才やコント以外にネットで全国に動画発信をと思い、『ワラしがみ』を始めました。結婚式で騒ぐ人に一言とか、久しぶりに会って『覚えてる?』って聞くの止めてとか、せやろがいおじさんは最初は共感してもらえる“あるあるネタ”をやっていたんです」と榎森さん。
やがて社会的な話題を取り上げるようになると、再生回数が増え知名度がどんどん広がった。チャンネル登録者数は今夏からわずか数カ月で10倍以上に膨れ上がり、現在約6万人。人気動画は、1本の再生回数がツイッターで200万回を超えるというから驚くばかり。ネット上で短期間に多くの人が取り上げることを「バズる」というが、まさに今「せやろがいおじさん」は、全国規模でバズっている。
コンビ活動への影響は!?
著名人がコメントしたり、東京の大手メディアが取材に来たりと、注目度がうなぎのぼりの「せやろがいおじさん」。コンビ活動への影響はあるのだろうか?
「リップサービスのネタに登場してもいいかな、って思います。ボケっぽいキャラなので、例えば喫茶店に現れていきなり叫び、なにコイツ!って思われる(笑)。でも相方が突っ込む感じじゃないから、後輩入れてやるかな」と榎森さん。
金城さんは「探っていますが、タイミングや扱い方が難しくて、やっぱり2人じゃしっくりこない。1人足りない感じがする」と続ける。今後どう生かしていくか模索中だが、コンビとしての新しい動きも出始めている。
沖縄の笑いを全国へ
金城さんは「テレビ番組の準レギュラー出演が決まってうれしい。生放送は5年ぶりで前回は勉強。今はいい意味で力が抜け楽しくなってきました。がんばりますよ!」とガッツポーズ。
榎森さんも「働き方をテーマにしたトークや、学校の講演会に参加しています。固い話をほぐしたり、参加者のトークを回したり、10数年芸人やって、こういう現場もこなせるようになってきました」と笑顔で話す。漫才で笑わせてからメッセージを織り交ぜると心に染みると言い、お笑いは導入液のような効果やパワーがあると感じるそうだ。
榎森さんは「毎月1回ライブをやってますので見に来ていただき、ネットでは僕らの動画チャンネル見てください」、金城さんは「ネタがしっかりしていると定評あるコンビですので、1回見てください」とレキオ読者へアピール。「せやろがいおじさん」ブレークにより、目標にしていた「リップサービス全国ライブツアー」が実現する日が近付いている。
(饒波貴子)
YouTubeチャンネル「ワラしがみ」 https://t.co/hX9p5U5gBE
オススメ動画3本
(1)東京オリンピックのエゲツないボランティア募集について
(2)松本人志さんの「死んだら負け」発言に一言
(3)金足農業の侍ポーズ禁止した高野連に一言
※台本作りから動画編集まで1人でこなす榎森さん。スマホで見やすい大きなテロップにするなど、工夫ポイントが多数。ドローン撮影者と2人でロケに出かけている
リップサービス
石垣市出身の金城晋也さんと奈良県天理市出身の榎森耕助さんが、大学在学中の2007年に結成。「ハピイレ」(QAB)、「リップサービスのスキマスポーツ」(FM沖縄)、
「オリジンアワー」(FM NAHA)他各メディアやイベントに出演し、活躍中
◆オリジンお笑いライブ 喜笑転決 vol.272
日 時:11月24日(土)
18時30分開場 19時開演
会 場:那覇市ぶんかてんぶす館4階テンブスホール
チケット:一般1500円
小学生1000円(前売り・当日共)
出 演:こきざみインディアン/ベンビー/リップサービス/じゅん選手 他
問い合わせ:オリジン・コーポレーション
︎098-866-6118
(2018年11月22日付 週刊レキオ掲載)