沖縄県が沖縄都市モノレール(ゆいレール、美里義雅社長)を現在の2両編成から3両化する検討を進めていることが、10日までに分かった。那覇市を走るゆいレールは利用者の増加により混雑率が高まっており、今夏の路線延長や2020年の那覇空港第2滑走路の利用開始でさらに乗客が増えるとみられる。県は需要増に対応して、3両化に加えて増便や運転間隔の短縮なども含めた輸送力増強についての方針を18年度中にまとめる考えで、19年度予算案には具体策を検討するための経費約5千万円を計上した。
県土木建築部の担当者は「夏に予定している延長区間の開業や那覇空港の第2滑走路の供用開始が控えることを踏まえると、ゆいレールの需要はさらに増えるだろう」と説明。「今後さらに延伸する場合には4両になる可能性もある」と4両化についても言及している。
ゆいレールの輸送力増強は県や国、沖縄都市モノレール社、識者などで構成する検討会議で議論が進められてきた。運転間隔に関しては、現在最短の4分間隔(午前7時半~8時半)をさらに短縮することも検討している。
増便や3両化に対応するには車両の新造や駅舎の改築が必要になるため、予算調達が今後の課題となる。現在の駅舎の規模は3両に対応できるよう設計されているが、ホームドアの改築などが必要となる。予算調達については沖縄都市モノレール社だけでなく、県や那覇市、浦添市が出資金や国庫補助を使って支援する見込みだ。
ゆいレールは15駅、12・9キロを運行。今夏に石嶺駅、経塚駅、浦添前田駅、てだこ浦西駅をつなぐ4・1キロの延長区間開業を予定する。
観光客や通勤客などの増加により乗客数は順調に伸び、17年度の年間乗客数は1814万6486人(前年度比82万2498人、4・74%増)を記録した。
1日平均の乗客数も、開業翌年度の3万2049人から17年度には4万9716人となった。朝の通勤・通学時間帯の混雑率(定員に対する乗車率)は平均120%、最も混雑が激しい際には160~170%にも達していた。(嶋岡すみれ)