6歳の魚博士、図鑑の誤り発見―。今帰仁村立天底小1年の安部京志郎さん(6)が、講談社の人気図鑑「move危険生物」に掲載されている「タマカイ」の写真が別の魚であることを発見した。同属の「カスリハタ」である可能性が高い。講談社は京志郎さんの指摘を受け、次の版から写真を差し替える予定だ。琉球大学理学部の立原一憲(かつのり)教授(魚類学)は「専門家なら見分けられるが、6歳で違いに気付けるのはすごい」と舌を巻いた。
図鑑は17万部を発行した人気シリーズ。講談社によると、問題の写真はフォトエージェントから「タマカイ」として提供を受け、掲載したという。初版から3年たつが、撮影者も編集者も読者も間違いに気付いていなかったという。
京志郎さんは体の色や斑点の特徴などから写真の魚がカスリハタだと気付いていたが、最近カタカナが読めるようになり、図鑑で「タマカイ」と紹介されていることが分かった。母親のあかりさん(35)に「これはカスリハタだ!」と伝え、あかりさんが講談社に連絡した。講談社の編集者は「研究者がつくる図鑑で間違いを発見できたことはすごい」と、京志郎さんの発見をたたえたという。
京志郎さんは1歳の頃に釣りのおもちゃで遊び、魚に興味を持ち始めた。「魚が泳ぐところや(生態の)特徴が面白い」という。今では魚図鑑だけで16冊を持っており、外出時も常に持ち歩いている。部屋や風呂に張られたポスターやフィギュア、洋服のデザインまで魚であふれている。
「魚を食べるのも大好き」と話す京志郎さん。将来の夢は「さかなクンを超える研究者になること」。夢実現へ向け、これからも“魚尽くし”の日々を送るつもりだ。(下地陽南乃)
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