沖縄県内でインフルエンザ発症が激増し、連休を前に、救急病院への駆け込み受診で救急医療を圧迫する懸念が高まっている。患者報告数が最も多い那覇市保健所は「救急病院に患者が集中すると、緊急を要する患者への対応が遅れる危険がある」と注意を呼び掛けている。8日に発熱患者が救急外来に殺到したという那覇市立病院は「不要不急の受診は控えてほしい」と市民の協力を求めている。
県内の定点医療機関58カ所の調査で1医療機関当たりのインフルエンザ患者報告数は8月下旬から急増し、9月2~8日に警報基準の平均30人を超えた。県地域保健課は11日にインフルエンザ警報を発表した。
那覇市立病院の救急外来には8日、286人が受診。うち4割の121人がインフルエンザと診断された。通常から救急外来が多く、長い時で2~3時間待ちになるが、8日は受け付けから会計まで4~6時間かかる人もいたという。
日曜は休診する地域の医院が多いため総合病院の救急外来を利用する傾向がある。同院の屋良朝雄院長は「インフルエンザは発症しても12時間は陽性反応が出ない」と指摘。発熱しても十分に睡眠を取り安静にすることが大事で、「救急外来で患者が重なると待ち時間でかえって症状を悪くする可能性もある。休日はできるだけ自宅で様子を見ながら、開院している医院を利用してほしい」と話した。同院は9日から入院患者への二次感染などを防ぐため、入り口でマスクの無料配布を開始。面会の来院者には体温測定などを実施している。連休の救急外来では発熱患者は別の階に案内するなど対策を強化する。
琉大付属病院もインフルエンザ感染の未然防止のため10日から必要最小限で面会を制限。「来院自体を控えてほしい」としている。
予防には人混みを避けることや手洗い・マスクの徹底が重要。子どもの病気は小児救急電話相談(#8000)で専門家からのアドバイスを受けられる。