「ピンクははずかしくないんですか?」
10月上旬、故郷の岡山県北のある小学校で講演していた時に5年生の児童が手を挙げて私に聞きました。
LGBT・性の多様性講演会では私は必ずピンクの服を着てお話をします。ピンクは好きな色ですし、男性がピンクを着るのは変と思う人もいますが、
「男・女らしく」ではなく「自分らしく」という思いも込めてピンクを着ています。
子どもたちは素直な反応をするので、ピンクの私を見て最初は「女みたい~」とか言いながらくすくす笑っている子どもがいることもあります。しかし講演で「自分らしくが大切」ということを聞くうちに、私を見る目も変わっていきます。私が去った後に学校でピンクを見ると「きよちゃんだ!」と楽しそうに先生に言う子もいるそうです。子どもってかわいいですね!
実は自分自身、学校講演会でピンクの衣装は適切な服装か、心配になったこともありました。しかし、ある小学校の校長先生から「ピンクのきよさんを見て、『こんなのでもいいんだ』って安心する子どもは必ずいるから、是非ピンクで!」と言われたのでした。
その校長先生の一言で私の迷いは消え、講演会の原点に立ち返ることができました。
学校で周りの人と違って不安を感じたり、自分に自信が持てない子どもたちが、ピンクの恰好をした大人が講演する姿を見て、「これでもいいんだ、自分も自分らしくで大丈夫」と自信につながるのなら、私はどこでもピンクを着て講演をしたいと思っています。
そもそも、私の講演会のタイトル「周りと違っても大丈夫!」は、小学校5年生の私に向けたメッセージです。1学年1クラスの小学校に通っていた私は周りの男子と違い、女子とよく遊んでいましたが、「変」と周りの人に言われ一人ぼっちになることもありました。そんな自分にもし励ましのメッセージを送ることができるなら、そんな思いで付けた講演会のタイトルが「周りと違っても大丈夫!」です。
今でも当時の私のように周りと違うことで悩み、誰にも相談できない子はいるでしょう。そんな子どもたちに少しでも安心や自信を届ける。これが私の講演会の原点だと思っています。
さて、来月は一般対象の無料講演会が2回あります。11月7日19時~21時、名護市立大宮小学校図書室(担当・名護市役所地域力推進課(電話)0980―53―5445)と、10日13時~14時30分、ちゃたんニライセンター(担当・北谷町立図書館(電話)098―936―3542)です。是非聞きにいらして下さい!
(2019年10月22日 琉球新報掲載)
竹内清文(たけうち・きよふみ) 岡山県津山市出身、沖縄県在住。レインボーハートプロジェクトokinawa代表。LGBTをテーマに学校講演会を数多く行う。