住民らが「集団自決」(強制集団死)に追い込まれたチビチリガマに供えられた山本学園情報文化専門学校からの千羽鶴(中央)。平和を祈念するメッセージも添えられていた=18日、読谷村波平 画像を見る

 

【沖縄・読谷】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、沖縄への修学旅行を断念した愛知県の山本学園情報文化専門学校高等課程の2年生141人が、沖縄戦の犠牲者を悼もうと激戦地の一つである読谷村に千羽鶴を贈った。「訪れることは叶(かな)いませんでしたが愛知より平和を祈念します」と書かれたメッセージカードが添えられた千羽鶴を受け取った村観光協会の知花昌彦会長が18日までに、生徒らが特に思いを寄せていたという村波平の自然壕チビチリガマに供えた。

 

同校では今月初旬に予定されていた修学旅行に向けて平和学習に取り組み、沖縄戦跡を訪れた際に供えようと昨年秋から平和への祈りを込め、折り鶴を準備していた。生徒らは糸満市のひめゆり平和祈念資料館にも千羽鶴を贈った。

 

同校2年の学年主任・石川博之教諭(52)によると沖縄への修学旅行は恒例で本島南部などを訪れていたが、27回目となる今回は初めて読谷村の戦跡巡りを計画していたという。石川教諭は「沖縄には資料や映像に残る『戦争』をはるかに超える悲惨な現実があったはずだ」と思いを寄せた。

 

また、石川教諭は「生徒には激戦地に立ち、自らの身に置き換え、平和について考えてほしいという思いがあった」と述べ、沖縄を訪問できなかったことを残念がりつつ、生徒一人一人が平和学習で学んだことを今後につなげてくれることを願っていた。(当銘千絵)

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