米海兵隊が沖縄県伊江村の伊江島補助飛行場内で滑走路と離着陸帯を改修する工事を始めていることが13日までに分かった。工事は6月下旬ごろまでの予定。海兵隊は情報を発信するウェブサイトで改修の目的について「島の運用能力を最大化するため」と説明しており、基地機能を強化する方針を示している。工事完了後、米軍機の訓練が増えて騒音などの基地負担が増す恐れがある。改修工事について村や村議会には米軍から説明があったが、県には知らされていなかった。
識者は輸送機MV22オスプレイや最新鋭戦闘機F35など垂直離着陸機の運用と関連している可能性を指摘した。
沖縄防衛局は米側からの情報として損傷や劣化に伴う滑走路などの補修工事と説明した。同局や米軍サイト上の説明などによると、滑走路(約1600m)の表面を剥がして舗装し直すほか、飛行場西側にある複数の離着陸帯を再編して、一辺約183mの正方形の垂直離着陸帯を造る。
海兵隊は情報を発信するウェブサイトに写真を投稿しており、ブルドーザーなど重機を複数台使って工事を進める様子が写っている。説明文によると、2月19日に現場入りして工事を始めた。
改修工事について伊江村には2月に防衛局から情報提供があった。今月8日に村や防衛局の担当者、村議らで現場に入り、米軍から説明を受けた。米軍は「滑走路の長さや幅は変わらない」と説明したという。
県は本紙からの質問を受けて防衛局に問い合わせ、防衛局が県に工事内容を伝えた。
伊江島では2018年末に強襲揚陸艦の甲板を模した離着陸施設が拡張された後、垂直離着陸型のF35Bが飛来して騒音被害が激しくなるなどの影響を受けている。
(明真南斗)
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