沖縄県那覇市の家具デザイナー島袋清成さん(44)が、リノベーション(機能や価値の再生のための改修)や独創的な家具デザインで活躍している。沖縄市のパークアベニューにある、空き店舗を活用したホテル「トリップショットホテルズ・コザ」の5室のリノベーションを2018年に手掛け注目を集めた。昨年は那覇市の新商品開発支援事業を活用し、オリジナル家具「藍樹(あいじゅ)」を開発した。
島袋さんの実家は家具を製作する木工所。高校卒業後に東京の専門学校で家具デザインを学び、その後は輸入家具販売店に勤めた。10年からは実家の木工所で家具製作を学んだ。15年に独立し、リノベーションやオーダー家具のデザインを手掛ける会社「インテリアン」を起業した。
「トリップショットホテルズ・コザ」のリノベーションでは、沖縄とアメリカの文化が混ざった「コザらしい部屋」を目指した。手掛けた建物は築50年近い物件ばかり。古き良き部分は残し、現代の感覚を加えて上品な内装に仕上げた。訪れた人から「おしゃれ」と好評を得ている。
昨年開発した「藍樹」はリュウキュウマツを素材にし、藍染めで使う染料で色付けした。青い家具は珍しく「沖縄の素材を使い、かつ真新しいもの」を目指す中でひらめいたという。「沖縄には藍染めの文化があるし、青い海のイメージに合うと思った」と話す。
今後は「藍樹」の量産体制構築と販路拡大を目指す。試作品はインドアイを使ったが、リュウキュウアイを使えるめども立った。「将来『沖縄の家具と言えばこれ』と言われるようになりたい」と語った。
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