南風原町立南風原中学校(當間保校長)では新型コロナ対策で3密を避けるため、例年、体育館で開いていた平和学習の全体集会を取りやめ、各教室でDVDを利用した学習に切り替えた。
10日午前8時20分、各教室の電子黒板で一斉に、沖縄戦から基地問題など現代までの歴史を11分ほどにまとめたDVDの放送が始まった。「体験者を招いた講話も全体集会もできない。それでもどうにか平和学習ができないか」と社会科の照屋あすか教諭が企画した。
「ことしは戦後75年の節目。本来ならば力を入れて取り組むはずだったが、いろいろなことが縮小の方向になっている」。當間校長も新型コロナによる学習への影響に悔しさをにじませた。
しかし新たな学習方法には思いがけないメリットもあった。DVDの放送中、各教室では生徒たちが真剣に映像に見入っていた。放送後、その様子を見ていた照屋教諭は「体育館での集会よりも集中している。放送のほうが届きやすいようだ」と語った。
同校では、子ども向け新聞などを活用したスクラップブック作りも平和学習に取り入れた。生徒たちは記事を使って沖縄戦をどう未来に伝えていくのかというテーマに真剣に取り組んでいる。當間校長は「ことしは『個』でじっくり考えるいい機会と捉えたい」と話した。
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