官房長官時代を含め、沖縄へ何度も訪れた経験がある菅義偉首相による新内閣が発足した。新閣僚も決まり、人々はどんな印象を抱くのか。県内各界で活躍する人たちに「検索目印となるハッシュタグ(#)を付けるなら何内閣?」と聞き表現してもらった。
#ちゃ~スガ内閣 小波津正光さん(お笑い芸人)
菅内閣は沖縄にとってはあまり代わり映えしないのかなという印象もあるが、辺野古の問題とかどうするのか、ちゃーすがという感じ。菅さんは頭が良くて切れ者のイメージもあり、したたかで何を考えているのか分からない部分もある。ただ、上り詰めてきたということで、だんだん自我を出してきている感じもあって、官僚には強硬な姿勢で臨み、結構ガンガンやってくるのではないか。デジタル大臣とかは期待できるはず。自民党で一番詳しい人みたいなので。前の担当大臣よりはいいかも。
#粛々内閣 大城尚子さん(沖縄国際大非常勤講師)
粛々内閣には(1)国民を萎縮・自粛の方向へ(2)官僚の意見を聞かない官僚縮々の内閣―の二つの意味がある。安倍政権は「女性が輝く社会」を掲げてきたが、新内閣になっても女性の起用は2人にとどまりオッサン政治が続く印象を受ける。日本がいかに人権発展途上国かが表れている。辺野古の問題に関しても、軟弱地盤の説明責任を果たしていない。議論のないまま「粛々」と進めるのか。菅氏は改革を強調していたが、新内閣の顔ぶれを見ても再任が多く、新鮮さを感じない。政治離れを危惧する。
#ぱおん内閣 オーガニックゆうきさん(作家)
新内閣の発足を受け、ちょっとした悲しさを表す若者言葉の「ぴえん」という表現を超えてきたという意味で「ぱおん内閣」。その他にも「送別会内閣」や菅さんが官房長官時代の定型句でもあった「次の方、どうぞ内閣」、「あーね内閣(あーなるほどね)」などの印象も。安倍さんの長期政権と沖縄の辺野古の問題などを含めて引き継ぐことが見え、まるで「令和の琉球処分」。暗い気持ちが真っ先に浮かんだ。そもそも私自身が、新内閣や新総理に抱く期待がない。沖縄の出身としては、ぱおんの一言。
#実務速攻型内閣 渕辺俊紀さん(日本青年会議所沖縄地区協議会長)
コロナ禍による非常事態の日本では、これまで長きに渡り実務に携わったリーダーによる、トップダウンの対策が必要だ。それらを実行するために担当してきた大臣の留任で、感染対策と経済回復を両面で早く進めようという意思を感じる。非常事態からの一日も早い回復には、提唱しているデジタル庁の創設など新しい取り組みのほか、既存の制度を大胆な施策で打破する必要がある。これだけ経済が大打撃を受けている状況では、大胆かつスピード感ある新内閣、政府であるよう期待したい。