金城楓空さん(ふうあの会提供) 画像を見る

 

【中部】中城村に住む琉大付属小4年の金城楓空(ふうあ)さん(10)が、小児がんでは世界で希少な「腹膜悪性中皮腫」と診断され、22日に東京で手術を受ける。高額な治療費を捻出しようと支援者らは「ふうあの会」を設立し、2千万円の募金を呼び掛けている。

 

楓空さんに異変が現れたのは昨年4~5月ごろ。食が細くなり体が痩せ、おなかが張った。県内では原因が分からず、東京の国立国際医療研究センターで検査、同12月に腹膜悪性中皮腫と診断された。この病気は腹膜を作る中皮細胞ががんになり、5年後の生存率は5割とされる。

 

楓空さんは腹膜に中皮腫が点在し、胸膜にも腫瘍が見つかっている。発症原因は不明という。今年3~9月、琉大病院で抗がん剤治療を受けたが、症状の改善は見られなかった。家族によると22日の手術は、最後に残された高リスクの治療という。おなかを開け中皮腫を「減量切除」し、抗がん剤を投与する「周術期腹腔内化学療法」を実施する。費用は保険適用外で約500万円。さらに再手術や抗がん剤投与などが想定される。募金の目標額2千万円は、手術後の数年間で見込まれる治療費を考慮して設定した。

 

楓空さんはダンスや工作、おしゃれが好きで、将来は「動物のシェルターを立ち上げたい」と夢を掲げる。昨年8月からほとんど学校に通えていないが、病気が治るという希望を胸に日々を過ごしている。
父の均さん(59)は「皆さんの力を借りたい。保険適用がされる制度にもなってほしい」と願う。募金の余剰金は、同じ病気の子どもたちの支援に回す。会はホームページ(https://fuua.org)やフェイスブックで情報発信も始める予定。

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