沖縄県内の新型コロナウイルス感染者数が過去最多の168人となった18日は、感染状況を示す療養者数(1533人)や、直近1週間の新規感染者数(834人)などの指標もかつてない水準となり、「最多」の数値更新が相次いだ。県によると、1人の患者から何人に感染が広がったかを示す最新の「実効再生産数」は1・62で、前週(0・85)の約2倍に跳ね上がった。飲食を通じた感染確認が急増し、大型連休中に生じた“緩み”が数値に顕著に表れた。
県によると今月9~15日の1週間に確認された飲食絡みの感染者数は95人で、前週(36人)から急増した。この値は減少が続いてきたが、大型連休を挟んで、92人だった4月11~17日を超える水準に逆戻りした。
県は昨年来、感染拡大の背景に飲食を通じた感染があるとして、飲食店への時短営業要請や県独自の緊急事態宣言などの対策により封じ込めを狙ってきたが、今回は拡大に歯止めを掛けられていない。
県はコロナ患者向けに最大545床の病床を確保する考え。18日時点の入院患者は444人とこれまでで最も多く、病床占有率は9割を超えている。入院調整中は313人、自宅療養中は589人と膨れあがっており、重症化リスクのある人が入院できない状況も懸念される。
県内の感染状況について、県立中部病院感染症内科の椎木創一医師は「妊婦や保育所など、感染が起こりにくい人にまで広がっている」と指摘し、危機感を抱く。
飲食を通じた感染拡大を防ごうと、県は緊急事態宣言の対象地域に加える要請など対策を検討している。
椎木医師は対策を「薬」にたとえ「薬も悪い状況では効き目が弱く、長く使わざるを得ないので副作用が出る」と強調する。その上で、飲食店を巡る感染防止の徹底には「半分の人が努力すれば半分の効果が得られるものではない。皆が同じ方向で(協力して感染を)抑え込むことが重要になる」と語った。