日本時間5月15日、メッツ戦でメジャー初完封勝利を挙げた田中将大(25)。“負けない男”の神話は、ついに日米通算34試合にまで伸びた。滑るボールなど、メジャーの洗礼を克服したことが好成績に繋がっているのは間違いない。だが、「プライベートの充実こそが最大の要因」と、現地で取材を続けるスポーツジャーナリストは語る。
「楽天ではキャンプ、オープン戦の転戦で1カ月以上家を空けた。だが、ヤンキースの場合は2月11日から3月29日までフロリダ州タンパに家族と滞在でき、しかも日本のようにホテルではなく、夫婦水入らずでコンドミニアムを借りきっての生活。田中自身も、そのことが大きかったと認めている」
米国では野球選手のオンとオフが認識されていて、街で会ってもサインを求めるファンは少ないという。
「仙台で2人で歩いたら大騒ぎだが、こちらでは皆無。トイプードルの愛犬ハルを連れ、まい夫人とときには手を繋ぎながら、散歩を楽しんでいる。日本よりも、2人でいる時間は長く、NYライフを満喫している」(同前)
また、田中はチームメイトから「マークン」と呼ばれ関係も良好。さらに“親友”ができたことも支えとなっている。それはつねに行動をともにしているイバン・ノバ投手(27)だ。
彼はドミニカ共和国出身で’04年の入団時、スペイン語しか話せず寂しい思いをした。似た境遇の田中を当時の自分に重ね合わせ、なにかと面倒を見てくれる。トロントの開幕戦、田中はパーカーを着て試合を観戦。するとノバが田中のフードの部分にこっそり大量のひまわりの種を入れた。
「マークン、今日は寒いからフードをかぶるのがメジャー流だぞ」とノバがアドバイス。田中がひまわりの種のシャワーを浴びたことは言うまでもない。
デビューからの6連勝は、ヤ軍の新人では’50年のホワイティ・フォード以来64年ぶりの快挙。ジラルディ監督が「彼は特別な存在になった」と発したコメントも納得だ。
(週刊『FLASH』6月3日号)