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「ドーハには応援に行けないので、毎朝、近所の熊野神社にお参りしていたんです。ケガもあったし、キャプテンとしての重圧もあったでしょう。五輪への出場が決まって『よかったね』とLINEしたら、しばらくたってから『ありがとう』とだけ。そのへんはやっぱり男の子ですね」

 

ホッとした表情を浮かべながらこう語るのは、サッカーU-23日本代表のキャプテン・遠藤航選手(22)の母・香さん(47)。6大会連続で五輪出場を決めた若きサッカー日本代表。なかでも手倉森誠監督が「チームの先頭に立ってほしい」と絶大な信頼をおくのが、この遠藤選手だ。16歳以下の日本代表に選ばれて以来、不動のキャプテンを任されている彼の“知られざる素顔”に迫ってみた−−。

 

遠藤選手は’93 年2月9日に会社員の父・周作さん(49)と香さんの長男として神奈川県横浜市に生まれた。小学校に入学すると同時に、地元の「南戸塚SC」に入団。中村俊輔を目指して「横浜F・マリノス・ジュニアユース」への入団を希望していたが不合格に。地元の横浜市立南戸塚中学校でサッカー部に入り、ひたむきにサッカーに取り組んでいた遠藤選手。中3の夏に転機が訪れた。

 

「強豪クラブチームのセレクションはことごとく不合格でしたが、中学校のゴールキーパーコーチが『湘南ベルマーレ』のスタッフと知り合いで、練習に参加させてもらったんです。そのときに、今のトップチームの監督が認めてくれたんです」(香さん)

 

中学校を卒業して県立金井高校に進学。同時に「湘南ベルマーレ」の選手としてプロへの道を歩みはじめた。当時から攻守にアグレッシブなのが遠藤選手の持ち味。だが恋愛には奥手だったようだ。中学時代の同級生が語る。

 

「航は『オレが、オレが』と引っぱるのではなく、集まった人たちを自然に引き上げていくタイプ。恋愛も消極的で、バレー部の彼女と同じ高校に進学しました。戸塚駅のアクセサリーショップで、クリスマスプレゼントを買ってあげるなど仲よかったけど、航は学校が終わると、深夜まで練習。サッカーばかり考えていたから、1年ほどで自然消滅してしまいましたね」

 

実際、インタビューでもこう語っている。《1年間の恋愛経験は「本当に好きなら積極的にアクションを起こせ」と僕に教えてくれた》(『サッカーマガジンZERO』より)

 

その“アクション”は、神奈川大学に進学してすぐに起こした。同級生の女性に猛アタック。そして、1年余りの交際を経て、’13年1月、19歳のときに結婚する。同年4月には長男(2)が誕生。昨年には長女にも恵まれた。

 

「『結婚するよ』といきなりでしたからね。学生とはいえプロとしてひとり立ちしていましたから、驚きましたけどしょうがないですよね。航は大学とプロ選手の二足のわらじが大変で大学をやめましたが、彼女も航を支えるために大学をやめました。しっかりした女性だから、安心して任せています」(香さん)

 

22歳にして2児のパパである遠藤選手について、横浜市立南戸塚中学時代のサッカー部顧問だった大野武先生がこんな話をしてくれた。

 

「航が中学1年生のときに妹さんが生まれました。そのとき航が『“父親”みたいなものです』と、抱っこしたり、遊び相手になっていることを自慢してました。“イクメン”だったから、結婚して子供が生まれたと報告を受けたときも心配しませんでした」

 

実は、遠藤選手の妻のおなかには新しい命が宿っており、今年5月に3人目が生まれる予定だという。息子のパパぶりについて、香さんが語る。

 

「今年の正月におせちを食べに、孫を連れて遊びにきてくれました。3人目の子供も間もなく、上2人も飄々と上手にあやしています。サッカーと同じで、ホント、子育てにもムダがないと思いますよ」

 

五輪の舞台では3児のパパになっている遠藤選手。かわいい子供たちへのリオ土産は、やっぱりメダルでしょ!

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