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「いとこと一緒に柔道をやり始めましたが、いとこは年上だったから昇級のスピードに差が出てしまう。ベイカーは『なんで毎日練習しているのに僕だけ上げてくれないの』と。負けん気は強かったですね」

 

そう話すのは、リオ五輪の男子柔道90kg級でメダルを狙うベイカー茉秋(21)が6歳から中学校まで通っていた「春日柔道クラブ」の恩師・向井幹博さん。

 

現在、世界ランク1位のベイカーはアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた。ピアノの先生に勧められ、6歳から柔道を始めると高校で日本一に。向井さんは、在籍していた当時のことをこう続ける。

 

「小学校の高学年のときには、どうしても勝てないチームメートが現れ、やる気がうせたのか、ダラダラ練習していました」

 

しかし、意識を変えたのが世界大会に出るような選手を間近に見てからだという。

 

「五輪や世界選手権などの壮行会があると、うちのクラブの子供たちが選手に花束を贈呈します。世界と戦う選手たちを目の当たりにして、目を輝かせていました。“いつか自分も”と考えたのでしょう」

 

7月27日に行われた五輪の壮行会では、後輩から花束を贈られたベイカー。いまも、その澄んだ瞳は、少年のままだった。

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