「日本フィギュア界のプリンスといえば、羽生選手と高橋選手。その2人の氷上対決が再び見られるかもしれないとあって、期待の声が寄せられています」(フィギュア関係者)
8月30日に新プログラムを発表し、今季のスタートを切った羽生結弦(23)。そんななか注目を集めているのが、高橋大輔(32)の“電撃復帰”だ。
今年7月に復帰会見を開いた高橋は、「全日本選手権の最終グループに入りたい」と宣言。順調に勝ち進めば、年末の同大会で羽生との直接対決が実現する。今年の開催地は大阪だが、そこには、因縁があるという。
「9年前の09年に大阪で行われた全日本選手権で優勝したのは、高橋選手。シニアになったばかりの羽生選手は6位と惨敗で、控室に戻った彼は号泣したそうです。さらに、高橋選手は11年の大阪で行われた全日本選手権でも優勝。地元では常に圧倒的な強さを見せつけてきました。つまり羽生選手は、大阪で一度も高橋選手に勝ったことがなかったのです。そうした過去の経緯もあって、羽生選手は今年の大会に特別な思いを抱いているようです」(フィギュア関係者)
高橋の現役復帰について、羽生は「ただひたすら憧れた存在。全日本でいっしょに滑ることがあるかもしれない。楽しみです」と語っていたという。
とはいえ羽生が五輪二連覇を果たしたのに対し、高橋は4年ぶりに現役復帰したばかり。その実力差については、高橋自身も「勝てる気はいっさいしない」と語っているほどだ。にもかかわらず、羽生は周囲も驚くほど気を引き締めて練習に臨んでいるという。それは、彼が高橋の表現力に一目を置いているからのようだ。
「羽生選手といえば技術点はもちろん、演技の構成点でも常に高い数字をたたき出しています。しかし高橋選手もまた、引退前はその芸術的な表現力が絶賛されてきた選手です。たとえば羽生選手はソチ五輪でショート、フリーともに1位を獲得。絶対的な強さを見せつけました。しかしフリーの構成点をみると、“音楽に合わせた身のこなし”などの評価では高橋選手が上回っていたのです。だからこそ羽生選手は油断することなく、『芸術的なスケーティングという面でも勝ちたい!』と考えているようです」(前出・フィギュア関係者)
“絶対王者”が見据える9年越しのリベンジ。今年の全日本は例年以上に熱い戦いとなりそうだ。