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「日本代表として全力で役割を全うしたいです」

 

北京五輪の出場枠数がかかる次の世界選手権への意気込みを昨年末にこう語っていた羽生結弦(26)。世界選手権はコロナ禍で開催が危ぶまれてもいたが、

 

「1月末になって、国際スケート連盟が世界選手権を予定どおりに開催する方針を示しました。3月22日から28日までスウェーデンのストックホルムで開催されます」(スポーツ紙記者)

 

日本に五輪出場枠最大の3枠をもたらしたい羽生にとって壁となるのは、アメリカ代表の宿敵ネイサン・チェン(21)の存在だ。

 

「羽生選手は年末の全日本選手権後の会見でも『ネイサンの動向が気になる』と話しています。直近の直接対決は羽生選手の2連敗。最後に戦ったのは’19年12月のGPファイナルです。久々の対決を楽しみにしているのではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)

 

フィギュアスケート評論家の佐野稔さんも羽生の心境をこう読む。

 

「彼の性格上、絶対に勝ちたいという気持ちは持っているでしょう」

 

“奪冠”をかけた大会だが、今後のコロナの拡大状況によっては、開催中止や日本選手派遣中止に傾く可能性もある。そしてもちろん開催が実現した暁には、徹底した感染対策が求められることになる。

 

「特に羽生選手はコロナ対策への意識が高いので、開催地の感染対策も気にしているのではないでしょうか。ぜんそくの持病のためにリスク回避は重要で、自身の影響力も理解していますから模範になる行動をとるべきとも考えているのです」(前出・スポーツ紙記者)

 

羽生は感染対策について、「後遺症がある限りアスリートは感染してはいけないし、広げる若い世代になってもいけない」と話していたこともある。

 

開催地スウェーデンの感染状況はどうだろうか。現地在住ライターの田中ティナさんによると……。

 

「ロックダウンはしていませんが、(第2波が到来した)昨年末以降、気をつけることが増えています。新規感染者は年末から1月初めごろに1万人を超えたのがピークで、2月2日現在は4300人程度。死亡者も1月末に1桁になりました」

 

第2波のピークは超えているといった印象だろうか。とはいえ、各国から人が集まる大会。選手や開催地住民の不安を払拭すべく、世界選手権でとられることが決まっている感染対策がある。それが“バブル方式”だ。

 

「バブル方式は、開催地を大きな泡ですっぽり包むようなイメージで、期間中、選手や関係者の外部との接触を徹底的に遮断するシステムです。昨年、NBAやテニスの全米オープンなどで採用されました」(前出・スポーツ紙記者)

 

スポーツライターの折山淑美さんも、バブル方式の採用について次のように言う。

 

「ほかのスポーツでも成果が出ていますし、出場選手たちは安心して試合に挑めると思います」

 

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