■「痛めた状態で試合に出たことも…」
そしてもう一人、本誌の取材に答えてくれたのが日野龍樹さん(26)。今年の3月をもってフィギュアスケートの現役を引退し、7月からは会社員として勤めるという日野さんは、羽生と同年齢だ。
小学校4年生のとき合宿で一緒になって以来17年、同期として切磋琢磨してきた“戦友”で“同志”。そんな日野さんが見てきた羽生の“練習姿”とは――。鬼気迫る様子を証言してくれた。
「彼は自分で自分を追い詰めて、練習にひたすら打ち込む選手。究極のストイックですから。できなかったら何時間でもやりますね。たとえば“このジャンプを下りるまでは練習を終わらない”って決めて練習する。それで何回もやりすぎて体が限界を超えて、ひねったりして痛めた状態で試合に出たこともありましたね」
重ねて羽生がほかの選手と違うところを尋ねると、「プーさんのティッシュケース」を挙げる。そこにはアスリートならではの分析が。
「もう周りが見えないくらいの集中力をもって試合に臨んでいると思うんです。でもいざ名前を呼ばれて出番に出ていくときには、プーさんを柔らかく触っていく。大半の選手はひたすらに集中して臨むものだと思うんですが、ゆづはプーさんに触って“一呼吸入れて”から臨むんですよね。
彼の場合、かなり張り詰めた状態に自分を追い込んでいると思いますから、直前でプーさんに“行ってくるよ”と触ることで穏やかな気持ちで試合に挑んでいるということなのかなと思います。かわいくもありますよね(笑)」
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