■元主治医語る今後の懸念
昨季はコロナ禍で試合数が少なかったのも、大谷には功を奏したのではないかと土屋先生は指摘する。
「昨季からしっかり筋トレに励んできたのが、いま実を結んでいるのでしょう。ひじも手術から2年以上経ち、不安なく投げられるようになったので、今まで鬱屈していたものを一気に爆発させている感じがします」
とはいえ、今後については心配もある。
「あまり過信して、無理が重ならないようにしてほしいです。移植したひじの靱帯というのは知覚神経がないので、痛んでも自覚しにくいんです。いま全力を出し切って負担がかかり、夏過ぎに疲れがたまってけがをしないか心配です。
特にピッチング。投げると必ずダメージがきますから、投球の後は十分にアイシングして、局所の炎症を取るのが鉄則だと思います」
昨季は開かれなかった、待望のオールスターゲームが目前だ。大谷は、前日のホームラン競争に参戦することを表明済み。当日も指名打者としての出場が確定的で、投手としても登板する可能性が報じられている。
7月13日には豪快なアーチを描き、14日の球宴では打って、走って、投げて、ファンの熱い視線を独り占めすることだろう。
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