■「大谷選手としょうへいちゃんが生きる力に…」
大谷と翔平ちゃんの魂のキャッチボールは、いまも川崎さん一家の心の支えになっている。翔平ちゃん急逝後に大谷は、「(ご家族を)応援しています」と、メッセージも託してくれたのだという。
静葉さんが続ける。
「翔平と過ごした日々は、日に日に昔になっていきます。でも大谷選手が活躍している姿をテレビで見るたびに、『ああ、こんなにすごい人が翔平に会いに来てくれたんだ』って、当時のことが鮮明によみがえってくるんです。大谷選手の活躍は、私たち家族の生きる力にもなっているんです」
いまも翔平ちゃんを供養する仏壇には、大谷からのプレゼントであるボールや帽子などが飾られている。
実は2年半前の対面に救われたのは川崎家だけではない。
「しょうへいくんを救う会」に集まった寄付金は最終的には3億6千万円に上ったという。翔平ちゃんの逝去後、寄付金は同じように心臓手術を待っている子供たちの「救う会」に寄付されたのだ。
2歳の女の子は昨年11月に手術を受けて無事に帰国。そして8歳の少女は今年夏に心臓移植手術を受けることができた。
8歳の少女の両親は救う会の事務局を通じて、こんなメッセージを寄せてくれた。
《大谷選手がメジャーリーグで大活躍されている最中に私たちの娘は、しょうへいちゃんから意志を引き継ぎ、渡米移植を成功させることができました。しょうへいちゃんや支援いただいた皆様に感謝しかありません。世界中がこのような暗い状況のなかで明るい話題を提供されている大谷選手と、生きるチャンスを与えてくれたしょうへいちゃんは娘にとっても生きる力となっております》
大谷選手と翔平ちゃんは2人の女の子の命を救っていたのだ。
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