11月29日、札幌市は招致を目指している2030年冬季オリンピック・パラリンピックの開催計画を修正。各メディアによると、3,100億~3,700億円としていた開催経費を2,800億~3,000億円とし、最大900億円削減することを発表したのだ。
経費削減を示した札幌市だが、今夏行われた東京五輪での“悪夢”から日本での冬季五輪開催そのものに反対する声が相次いでいる。
実際、2013年の東京五輪招致時の大会経費は7,340億円の見積りであったが、2019年12月の最終予算は1兆6,440億円に。さらに、そこから新型コロナウイルスによる開催延期で2,940億円が上乗せされた。
また各報道によると、それらの経費に東京都が負担する経費が含まれておらず、日本政府が負担する約1兆3,000億円とは別に東京都は約1兆5,000億円を負担していたという。
合計すると約3兆円が東京五輪でかかったことになり、当初から7倍以上も膨れあがったのだ。
東京五輪の開催費用の財源のほとんどは税金。単純計算だが、これらの約2兆8,000億円を日本の総人口1億2,548万人(今年8月、総務局統計局調べ)で割ると、国民1人あたりの負担額は約「2万2,000円」になる。
そんな東京五輪の背景を踏まえてある全国紙記者はいう。
「五輪招致当初は『コンパクト五輪』を売りにしていた東京都ですが、2013年時点では、建築工事の設計・撤去費用や警備、運送費用がほとんど計上されていませんでした。さらに新型コロナウイルス対策による1年延期などでも経費がかさみ最終的には招致当初から7倍以上になりました。今回、経費削減を発表した札幌市ですが、東京五輪のように最終的に経費が膨大にふくらむ可能性が大いに考えられるでしょう」
実際にネットでは札幌での冬季五輪開催に批判の声が相次いでいる。
《世界一金のかからないオリンピックと豪語していた東京オリンピック、結果的に幾らかかったんでしたっけ?》
《オリンピックは日本でしなくていいと思う。IOC会長があれじゃだめだ。東京オリンピックで良くわかった。札幌市よ、目を覚ませ!》
《東京もそんなこと言って、フードロスやコロナパンデや、余剰金の不透明や、いいことなしでしょ。一次産業大国北海道の温暖化対策はどうしたの?農業も漁業も大変だよ。まず、よく話し合って、住民投票して、市民税と道民税は何に使うかを個人が指定できるようにしてくれ。馬鹿なこと(経団連に横流し的な)に金使いすぎ。札幌市民》
もし招致が成功したとして、札幌は東京五輪の“悪夢”を払拭することができるのだろうかーー。