「神戸での羽生くんの新プログラムは予想外でした。客席のほかのファンも、“えーっ!”と驚きの声を漏らす人がいるほどでしたよ」
羽生結弦(27)が出演するアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」(以下、FaOI)。17日の神戸公演初日を見たファンは興奮気味にそう話す。
5月下旬に開幕したFaOIは、ここまで幕張、名古屋を巡演。3番目の公演地となった神戸からは、参加アーティストもショー全体の構成も変更に。
羽生も、神戸とその後の静岡公演のための新たなプログラムを、お披露目することとなったのだ。
「北京五輪のエキシビションで演じた『春よ、来い』と同じ振付師が、ショーの振付をしたということが事前にわかっていました。過去の傾向から、美しくしっとりとした演技が見られるだろう、と多くのファンが予想していたのです」
ところが、現れたのは長年のファンも見たことのない姿ーー。
若い世代に人気のシンガー・ソングライター宮川大聖(25)とコラボし、彼の歌う『レゾン』という曲に合わせて演技したのだが、
「“悪い大人の男”みたいな雰囲気で、妖艶な色気があって……。私は羽生くんが20歳だった’15年のFaOIの神戸公演も観覧したんですが、そのときと比べると、本当に大人になりましたよね」
感慨深げにそう話すファンから、興味深い当時の羽生の逸話が。
「当時、神戸公演が関西ローカルでテレビ放送されて、特別企画で出演者の座談会があったんです。そこで自分の7年後について未来予想をしているんですが、それがちょうど’22年にあたるんですよ」
当該の映像を確認すると、羽生は7年後の’22年について次のようにボードに書き込んでいた。
《プロスケーターとして支援活動。スケーターへの手伝い。》
当時の想定では、今ごろは現役を引退しているはずだったようだ。
「若いうちにプロになりたい、結婚も25〜26でしたいなんて話までしていました」(前出・ファン)
北京五輪以後、引退の可能性も取り沙汰されている羽生。7年前の未来予想を見ると、やっぱり今年中に引退の可能性もある!? が、あるフィギュア関係者は首を横に振る。
「“やっぱり自分は4回転半を跳びたいんだ”と、最近もはっきりと口にしています。現役続行の意思は固いと見る関係者は多いです」
7年前の未来予想は“撤回”とみてよさそうだ。現役継続となれば、ぶつかる一つの壁がある。今月9日、国際スケート連盟(ISU)が決定した新ルールだ。
「表現力を評価する演技構成点を5項目から3項目に減らす、というルール変更です。一部ファンから“表現を重視する羽生には不利なのでは。ISUは羽生潰しをしたいのか”など心配の声が上がっているのです」(スポーツ紙記者)
ショーが終われば、再び競技という茨の道ーー。神戸公演を見た前出のファンはこう期待を託す。
「私たちの予想を、いい意味で裏切り続けてくれる羽生くんは本当にすごい。新しい姿を見せ続けられるのが彼の武器ですよね」
止まらない進化が、羽生にとって何にも負けない秘策なのだ。