「関係者の中には『お金を返したらいいんじゃないか』あるいは『記者会見を開かなくてもいいんじゃないか』とか。そういった意見が出ているということで。大阪まで行きまして、『それはダメだ』と。悪いことをやったなら悪いことをやったと反省してもらって、しっかり公表しなければいけない」
6月28日、こう語ったのは日本バレーボール協会の川合俊一会長(59)だ。
同日、会見を開いた大阪府バレーボール協会は会見。そこで、会計担当の50代後半の男性理事1人が協会の資金を私的に着服していたと発表した。協会によると当該理事は’05年から昨年の途中まで会計を担当。協会資金2579万円を着服していたという。
そして川合会長は会見に同席し、冒頭のようにコメント。さらに、こう続けた。
「『記者会見を開いてくれ』と私が勧めたので、勧めた本人として、私も同席しないといけない」
「我々は親団体であるということで。“子”が悪いことをやったら、しっかり叱らないといけない。謝るときは“親”も出てきて、謝らないといけない」
これほどまでに、川合会長が誠意を示すのには理由があるようだ。日本バレーボール協会はビーチバレーボール国際大会のキャンセル手続きの過程で、担当者が診断書を偽造していたことが昨年9月に発覚。偽造を黙認していた前会長の嶋岡健治氏が今年1月に解職となり、3月に川合会長が就任したのだ。
「川合さんは’84年のロサンゼルス五輪や’88年のソウル五輪に出場。引退後は、タレントとしても活動しています。身をもって“イメージの大切さ”を理解しているため、就任会見で川合さんは『協会の信頼は地に落ちた』と厳しい評価を下していました」(スポーツ紙記者)
そもそも川合会長は、重役就任に対して積極的ではなかったという。今年4月、『朝日新聞』の取材に対して「会長就任は3度断った」と明かしている。
「しかし、就任後はバレー界に貢献できるようにと奮闘しています。『バレーの魅力がもっと伝われば』との思いから、バレー経験者の平野ノラさん(43)に声をかけて今月17日、芸能人初となる同協会評議員に任命しました。奔走する最中に今回の着服が発覚したため、加盟団体の問題とはいえ謝罪会見ではショックが隠しきれない様子でした」(前出・スポーツ紙記者)
問題意識の強さから、率先して謝罪会見に臨んだ川合会長。その姿はネットで話題となり、Twitterにはこんな声が上がっている。
《一部の者は『着服金は返したらそれでいいではないか大袈裟にすることはない。』などと言っているらしいが、川合俊一会長は、それではいけないちゃんと会見をして報告するべきと、会見を開いたということですが、天晴れだと思います》
《これだけのこと起こしてもまだ現代で会見開かなくていいなんて寝言言ってるやつが内部にいて尚且つその上で会見開いた川合俊一氏を支持します》
《不祥事が起きても川合俊一さんの様に会見を開き言葉で説明されると応援したくなる》
《川合俊一さんが会長になって良かったと感じる会見でした》
川合会長はエールを糧に、協会のイメージ挽回に取り組むことができるだろうか?