14歳でバロセロナ五輪の金メダルを獲得した岩崎恭子さん (写真:アフロ) 画像を見る

住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、金メダルに熱狂したオリンピックの話。活躍する同世代の女性と一緒に、“’90年代”を振り返ってみましょう――。

 

「今まで生きて(き)たなかで、いちばん幸せです」

 

’92年、バルセロナオリンピック競泳女子200メートル平泳ぎで、金メダルに輝いた岩崎恭子の名言は、誰もが記憶に残っているはずだ。

 

「私自身もレースを生中継で見ていました。岩崎さんは金メダルを期待されていなかったため、“最後は抜かれるんじゃないか”とハラハラしつつも、ゴールが近づくにつれ大声援に変わり、ゴールの瞬間、金メダルに歓喜しました。同種目での金メダルは、’36年のベルリンオリンピックで、日本人女子初の金メダリストとなった前畑秀子さん以来の快挙でした」

 

そう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(54)。しかも、彼女の年齢が14歳と6日ということが衝撃だった。

 

「岩崎さんの日本人金メダル獲得最年少記録は、’21年、東京オリンピックの女子スケートボードで金メダルに輝いた西矢椛さん(13歳330日)に破られるまで、約30年も保持されました」

 

■続々と女性アスリートが活躍する扉を開いた

 

当時は日本のスポーツ界の低迷期で、バルセロナ五輪での金メダルはわずか3個。柔道以外では岩崎だけという状況から注目を一身に集め、岩崎恭子フィーバーが列島を席巻した。

 

「’92年の紅白歌合戦にゲスト出演し、光GENJIの『リラの咲くころバルセロナへ』を紹介するなど、テレビやイベントにひっぱりだこでしたが、一方で、ストーカー被害や、心ないバッシングにも悩まされたようです」

 

当時はまだ、オリンピック選手は国家の代表という意識が強く、アスリートを公人のように考えたり、競技以外の活動に否定的な人も多かった。

 

「岩崎さんの言葉を素直に受け入れられず、“たった14年生きただけで何がわかる”という、辛辣な声も聞こえてきました」

 

のちに岩崎は『FRIDAY』(講談社)の取材などで、金メダル獲得後、しばらくは注目されることがつらく、水泳に集中できる状況ではなかったと述懐している。

 

「’96年のアトランタオリンピックでは期待された成績を残せませんでしたが、この大会では女子マラソンの有森裕子さんが銅メダルを獲得、『自分で自分を褒めたい』と話した後、プロ宣言したことでも話題に。彼女たちの活躍と葛藤が、のちの女性アスリートに大きな勇気を与えたといえるでしょう。岩崎さん自身は、現役引退から3年後、アメリカで現地の指導法を学んだことで、水泳の楽しさを再発見できたようです」

 

【PROFILE】

牛窪恵

’68年、東京都生まれ。世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系)など多数の番組で活躍

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