8月23日に、第105回全国高等学校野球選手権記念大会の決勝戦が行われ、仙台育英(宮城)と慶応(神奈川)が対戦し、慶応が8対2で勝利した。107年ぶり2度目となる夏の甲子園優勝を果たした慶応ナインだが、その注目度の高さからか、的外れな指摘まで飛び出している。
慶応は一回に丸田湊斗選手(3年)の先頭打者本塁打などで2点を先取し、二回にも追加点を獲得。負けじと仙台育英も二、三回に1点ずつ得点を重ねたが、慶応が五回に、福井直睦選手(3年)の適時二塁打などで5点をあげ、リードを広げた。以降は慶応が仙台育英の打線を抑え、8対2で勝利した。
SNS上では、《慶応高校すごいな まずはおめでとうございます》《慶応高校優勝!!》など、107年ぶり2回目の優勝を祝福する声が多数あがった。
いっぽうであらぬ批判も。それは慶応の選手たちの表情に関するものだ。
SNS上では一部で、《ヘラヘラ笑ってる長髪慶応に負けるとは》《慶応ボーイのヘラヘラ優勝で幕閉じw》《慶応後半ヘラヘラし過ぎ、あの髪型ありえんな。育英よく頑張ったよ。。》などと、真剣な表情ではなかったとの意見が見られた。
これには理由があるようだ。スポーツ紙記者は明かす。
「慶応がモットーとして掲げ、甲子園で体現したのは、“エンジョイベースボール”です。プレッシャーのかかる決勝戦でも野球を楽しみ笑顔でプレーする球児たちの姿は印象的でした」
8月22日に放送されたNHKのニュース番組で、’90年から’05年まで慶応で監督を務めた上田誠さんが“エンジョイベースボール”の定義を明かしている。
「エンジョイ・ベースボールは、楽をしてヘラヘラするという意味ではなく、自分で考えてプレイしてもっと挑戦しようという精神です。甲子園での試合を見ていて、どんなピンチでも楽しそうな表情でプレイをしていて、自分たちで考える野球を通して毎試合、成長していると感じます」
高校野球を見る側も、肩の力を抜いて、“エンジョイ”する必要がありそうだーー。