大谷翔平 過ごしやすさだけじゃない…エンゼルスにあった“もう一つ”の心残り
画像を見る 大谷と水原氏、いまや2人は“世界の名コンビ”に(写真:アフロ)

 

■元相棒の愛息が生後1カ月で4度も転院

 

その一方で、大谷はエンゼルスに“心残り”があったという。

 

「それは昨季、102試合で大谷選手とバッテリーを組んでいたキャッチャーのマックス・スタッシ選手と長男のことなのです。スタッシ選手は今季、全休でした。当初、球団は『家族の事情』とだけ説明していましたが、実はその理由は、4月に約680グラムという未熟児で誕生した長男・ジャクソン君と妻・ガブリエルさんを支えるためでした」(前出・スポーツ紙記者)

 

予定より3カ月以上早く誕生したジャクソン君は、生後1カ月で肺炎、血液感染症、脳出血などの症状が出たため、4度転院したという。

 

「スタッシ選手は10月下旬に、ジャクソン君の写真とともに、家族で病いと闘っていることを公表しました。スタッシ選手はそれまで、同僚たちにも伝えていなかったのですが、9月、大谷選手のケガを知り、心配になって逆に連絡をくれたそうです。そこで初めて大谷選手はジャクソン君のことを聞き、それ以来、回復を心から祈っているといいます」(前出・在米ジャーナリスト)

 

かねて大谷は闘病中の子供たちへの支援を続けている。’19年1月、難病・拡張型心筋症を患った兵庫県の川﨑翔平ちゃん(当時1歳6カ月)のお見舞いに行ったことは当時、大きく報じられた。

 

翔平ちゃんは2カ月後に亡くなるも、集まった寄付金は心臓病と闘うほかの子供たちの命を救うことになったのだ。

 

「’21年11月にも大谷選手は、命の危険がある病気と闘う子供たちと、その家族を支えるカリフォルニア州の非営利組織『ミラクルズ・フォー・キッズ』に、年間MVPとア・リーグ最優秀野手に選ばれた賞金を寄付すると発表しました」(前出・スポーツ紙記者)

 

前出の在米スポーツライターは続ける。

 

「現在もジャクソン君は新生児集中治療室に入っているそうです。ただ、回復の兆候があるようで、スタッシ選手は『来季はプレーできる』とエンゼルス側に話していると聞きました。大谷選手も元相棒の来季復帰をとても喜んでいると聞きました。“自分がまず打者として復活して活躍することが、ジャクソン君の回復につながる”と考えているといいます」

 

11月9日、大谷が日本国内の国立67校、公立1万8千668校、私立244校、特別支援学校1千13校、計1万9千992校もの全小学校に、約6万個のグローブを寄贈すると発表したことは記憶に新しい。

 

「子供たちが野球に親しめる環境を作ることで、野球を活性化したいと考えたそうです。

 

そんな大谷選手の今回の決断の背景には、『子供たちに夢を与えられるプレーを全力でできる』環境が整っていたからということに尽きるでしょう」(前出・在米スポーツライター)

 

12月1日、最も今季活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」が発表され、アメリカンリーグでホームラン王を獲得した大谷が同賞を3年連続で受賞した。

 

数々の受賞ラッシュは世界中の子供たちの笑顔につながっている。再出発となる来季の大谷にかかる子供たちの期待は、さらに大きくなっていく――。

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