昨年に不祥事を起こした山川穂高内野手(32)の移籍、それに伴う人的補償を巡って波紋が広がっている福岡ソフトバンクホークス。渦中の和田毅投手(42)は依然、厳しい状況に置かれている。
計16年にわたってソフトバンクに所属し、支えてきたチームのレジェンドともいえる和田。自主トレを開催し後輩の育成にもあたる精神的支柱だっただけに、11日の朝に日刊スポーツが“人的補償として西武が和田を指名”とスクープすると、SNS上には「行かないで、考え直して」といった声が続出。
しかし、当日夜になると、甲斐野央投手(27)が西武に移籍することが発表されることに。14日には「現代ビジネス」が、フロントから人的補償の話が出た際、プロテクトされていなかった和田が引退を示唆したと報道。そして、焦ったフロントらが、西武側に要請したといい、本来プロテクト入りしていたという甲斐野投手が代わりに移籍することになったという。
この報道の通りなら”プロテクト”というルールが無視されたことになると、野球ファンからは異論が噴出。15日に和田は自主トレ先で「この件には触れたくない思いと、考えたくないというのが自分の思い」と、報道を否定せず曖昧な発言をしたことで批判が加速し、和田のInstagramに心ないコメントが寄せられる事態にまでなっている。
そして、真相が明かされないままシーズンに突入すると、この余波はチームに暗い影を落とすと、あるスポーツ紙記者は言う。
「ファンとしてはこれまで絶大な信頼を置いていただけに、明確に否定されないとなると、疑念をもったまま応援せざるをえない。またホークスのチームメイトも当然今回の報道は目にしているでしょうし、球団から内々に説明はあるのかもしれませんが、報じられていることがもし事実なのであれば、和田選手との間に微妙な距離感が生まれてしまう可能性は大いにあるでしょう」
そもそも山川の移籍に端を発する今回の人的補償騒動。山川は昨年5月に強制性交の疑いで書類送検され、不倫の事実は認めたものの「同意はあった」と容疑を否認し、その後不起訴処分となった。
「西武では、非公式戦の宮崎でのフェニックスリーグには出場していましたが、公式戦出場停止処分のまま昨シーズンを終えています。
今回のソフトバンクへの移籍も水面下で進められており、西武側に正式に連絡をしたのも移籍直前だったため、ファンからは『不義理だ』と反感を買っていました。多方面で好感度を落としてしまった山川選手に、ソフトバンクファンも歓迎ムードとはいかないよう。入団したときの球団の公式Xの投稿もこれまで移籍してきた他の選手と比べて『あからさまに事務的すぎる』と話題になっていました。
マイナスイメージがつきまとっている山川選手ですが、ソフトバンクは4年で推定総額12億円プラス出来高の高額報酬を提示したといいます。右打者を補強したい思惑があったようで、批判が来ることも想定した上で獲得したかったようです。
ここまでの騒動を巻き起こして移籍したわけですから、相当な活躍を見せないとファン、フロントともに支持は得られないでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
“針のむしろ”状態で来シーズンを迎える和田と山川。果たしてーー。