4月下旬、第7号ホームランを放った直後のベンチで、大谷翔平選手(29)は後輩のラックス選手と話し込んでいた。どうやら、身振り手振りを交えてアドバイスをしているようだ。
「通訳を介さない、真剣な指導が功を奏したのか、ラックス選手はそのあとタイムリーヒットを打ちました。ドジャースにも慣れてきたころですし、これからは後輩指導にも力を入れていくのではないでしょうか」(在米スポーツライター)
日本ハム時代は“生意気な後輩”としてかわいがられてきた大谷だが、メジャーでは先輩らしい姿を見せている。
「’23年に入団したエンゼルスの新人、ネト選手には、コーチのように手厚い指導を。彼の映像を見て“一貫性を持つべき”と打撃フォームの助言をしていました。二刀流で得た独自の視点から声をかけていたようです。
さらにメンタル面では“自分らしくいればいい”と言って、冷静になる方法も教えたとか。ネト選手は“基本的なことを思い出させてくれた”“ロールモデルだよ”と話していました」(前出・在米スポーツライター)
知識を惜しみなく伝える大谷。最近は、少し不思議な練習方法で後輩たちをリードしているようだが――。
「4月から、クリケット用のバットを使って練習しているそうです。野球バットに比べて面が広いため、手首の使い方の練習になると話していました」(スポーツ紙記者)
大谷の影響で球団内でもはやり出したようだ。後輩のアウトマン選手はこう語っていた。
《最近入手したばかり。(中略)誰も実際に使わなかった(中略)翔平がそれを使って二塁打、三塁打を打った。そうしたら、皆が“よし、使おう”という感じになった》(「毎日新聞デジタル」’24年4月10日配信)
彼もバットを使ったあと、今季初のホームランを放ったという。この練習方法は、大谷なりの“恩返し”のようだ。前出のスポーツ紙記者は語る。
「水原容疑者の事件は、球団を巻き込む大騒動に発展しました。大谷選手としては、迷惑をかけても支えてくれたチームメイトに対し、なにかで貢献したいと思っていることでしょう。クリケットは“野球の原形”といわれているスポーツです。原点回帰することで、改めて誠実に野球と向き合うことの大切さを、後輩たちに教えたかったのではないでしょうか」
大谷の“激アツ”指導に背中を押されて、ドジャースは世界一の球団を目指す――。