「感謝の気持ちでいっぱい。平坦な道ではなかったからこそ坂を駆け上がる力をつけられた。豊かなスケート人生でした」
12月21日、フィギュアスケートの全日本選手権第2日が大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで行われ、男子フリーでSP5位の織田信成(37)は150.15点を獲得。合計234.68点で、表彰台目前の4位だった。試合を終え、織田選手は改めて引退を口にし、涙を浮かべていた。フィギュア関係者は言う。
「もともと織田選手は08年の全日本選手権で優勝した実績があります。10年のバンクーバー五輪では7位で、13年の全日本選手権後に現役を引退。プロスケーターとタレント活動を並行しておこなっていましたが、22年11月、9年ぶりに現役復帰を果たしたのです。
まずは昨年の全日本選手権への出場を目標に励んでいましたが、昨年10月、競技復帰に必要な『復帰届』を提出していないことが判明して全日本選手権への出場ができなかったのです。
そして今シーズンに入り、“膝と関節的に限界”という理由で再び引退を決断。今回の全日本選手権はまさに“現役復帰&完全引退”となる大舞台でした。19日の大会開会式では、織田選手は《環境や年齢を言い訳にせずに、全身全霊で競技に臨むことを誓います》と高らかに宣言して、フィギュアファンをうならせていました」
前日のショートプログラム『マツケンサンバII』では観客を盛り上げ、冒頭で4回転-3回転の連続トーループを決め、ことごくジャンプを成功させました。キスアンドクライでは“お約束”ともいえる大号泣で、10代~20代の現役選手たちに交じって5位に入ったのです」
初日の試合後、「年齢はただの数字だと思っているし、そう言い聞かせることで、歳をとったからといってできないことはない」と語っていた織田選手。
翌日のフリープログラムでは冒頭のジャンプで転倒するも、ベテランらしい余裕すら見せ華麗に最後まで滑り切り、観客席はスタンディングオベーションに包まれた。最後は観客席に向かって、ゆっくりと丁寧にお辞儀していた。
今回の全日本選手権での“11年ぶり現役復活”での大健闘がSNSで感動を呼んでいる。
《37歳織田信成が「マツケンサンバ」を引っ提げて、全日本フィギュアに帰ってきた!! 最高にHappyな演技だった。会場を一体にさせる彼のパフォーマンスと笑顔は健在。キスクラで号泣する姿を見てもらい泣き》
《織田信成選手お疲れ様~ 最後まで泣き虫でしたね 私ももらい泣き》
《笑顔見れてよかった と思ったらまた涙、、 やばいもらい泣きしてしまう ねぇ大変だと思うけど、 今年で終わらなくても…まだ見てたかったよ》