シリーズ人間のウクライナに関する話題
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南樺太、ウクライナ――戦争で2度「故郷」を奪われ日本へ避難した降簱英捷さん(79)
2023/11/12 06:0023年6月、ウクライナ北西部の都市・ジトーミルの郊外にある墓地。ここで痩身の男性が妻の墓前にたたずんでいる。妻・リュミドラさんの隣の墓碑には、すでに自分自身の肖像画を刻んでいる。「しばらく来られなくなるけれど、また来るからね」そっと手を合わせ、祈りを捧げるのは降簱英捷さん(79)。1年3カ月暮らした日本から、危険を顧みず再びウクライナの地にやってきた。英捷さんの両親は戦前、日本統治下であった南樺太 -
ウクライナから決死の脱出 ソ連で生きてきた日本人男性の平和への願い
2023/11/12 06:00【前編】南樺太、ウクライナ――戦争で2度「故郷」を奪われ日本へ避難した降簱英捷さん(79)より続く降簱英捷さん(79)は、先の大戦中に日本統治下の南樺太で生まれた。故郷は’45年の旧ソ連の侵攻により大混乱に。降簱家は日本への引揚げ船には家族の病気やけがで乗りそびれた。望郷の念を胸に秘め、英捷さんはソ連の一部だったウクライナに移住し必死に働いた。妻の故郷で穏やかな老後を迎えるはずだったが――。ロシア -
「戦争で傷ついた日用品をアート作品に」ウクライナ避難民女性が創作に込める“願い”
2023/07/30 06:00「これは、私の故郷から送ってもらった物。戦争で傷つき、壊された物の数々を、私はアート作品にしました」祖国で暮らしていたころから、日本語を学んできたという女性。この日も、展覧会を訪れた人たちに向かって、彼女は流暢な日本語で作品解説を続けていた。彼女は、ウクライナ人美術家のユリヤ・ボンダレンコさん(31)。ユリヤさんは祖国がロシアの侵攻を受けた後の昨年6月、日本にやってきた。京都府内で避難生活を送りな -
日本での生活開始から1年、ウクライナ避難民家族の「たった一つの願い」
2023/07/30 06:00【前編】「戦争で傷ついた日用品をアート作品に」ウクライナ避難民女性が創作に込める“願い”より続く昨年2月のロシア軍の侵攻以来、ウクライナでは多くの民間人が犠牲になった。今年4月の国連人権高等弁務官事務所の発表によれば、その数は約8千500人にものぼる。同事務所は「氷山の一角で、実際の死者はさらに多い」とも。現在の日本には、戦禍を逃れてきた2千400人以上の避難者が暮らしている。「去年の2月24日、