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郵便局、とくにゆうちょ銀行が変わろうとしている。ゆうちょ銀行は、今年7月以降、投資信託を取り扱う拠点を大幅に増やしていく。

 

「現在、投資信託を販売する『投資信託取扱局』は、全国に1,315局。これを100局増やして、1,415局にします。また、投資信託の販売はできないものの、相談に乗り、ニーズがあれば投資信託取扱局を紹介する『投資信託紹介局』が、現在は805局。これを、約20倍の1万6,686局に増やす予定です。合わせると約1万8,000局。全国にある直営の郵便局は約2万局ですから、9割に相当する郵便局が、投資信託を取り扱うことになります」

 

そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。ゆうちょ銀行は、比較的低リスクといわれる「バランス型投資信託」を中心に扱うとうたっている。だが、荻原さんは次のように語る。

 

「現在扱っている58銘柄の投資信託のうち、約3割にあたる17銘柄が、基準価格を下回っています。つまり、販売開始時より、値を下げている状態です。また、投資商品の1つとして、『変額年金保険』も扱っています。これも、現在、扱いのある10本のうち、6本は新規募集を停止するほど、運用成績が悪化しています。ゆうちょ銀行が扱う投資商品にも、決して低リスクとはいえないものが含まれていることは、ぜひ覚えておきましょう。どんな投資商品でも、リスクは避けられません。『郵便局だから安心』といった思い込みは捨てましょう」(荻原さん・以下同)

 

いっぽうで、郵便局は、顧客の利便性を向上させる新たなサービスを広げている。

 

「今年4月、宮崎銀行のある支店が閉鎖されました。このとき全国で初めて、支店近くの郵便局内に、地方銀行である宮崎銀行のATMが設置されることになりました。7月から運用が始まります。また、9月には、東京の新宿郵便局に、北海道銀行など地方銀行25行の手続きができる窓口が設置されます。地方の銀行口座を持っていても、支店が近くにないため、住所変更などの手続きができずに困っていた方には、便利なサービスといえます」

 

さらに、生命保険の手続きを、郵便局に設置したテレビ電話を通じて行えるようにする実証実験も始めるという。

 

「多様なサービスを提供して多くの人に利用してもらうことで、郵便局自体の活性化もはかりたいのだと思います。もともと、ゆうちょ銀行は24時間365日ATM手数料が無料ですし、ATMを使ったゆうちょ銀行同士の振り込みは月3回まで無料など、ほかの銀行にはないメリットがたくさんあります。加えて、’19年からは、引き落としなどの際、口座残高が不足していても、50万円までなら自動融資されるサービスも始まるようです。私たちにとって、メリットとなるサービスは十分活用しましょう」

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