(写真・神奈川新聞社)
認知症について多くの人に知ってもらおうと、神奈川大の学生らと、地元の六角橋商店街が協力して19~21日の3日間、啓発キャンペーンを展開する。ランチョンマットを飲食店で使ってもらったり、物販店でポスターを掲示してもらったりするよう呼び掛ける。同商店街の170店のうち、飲食・物販合わせて130店での協力を目指している。
21日は「世界アルツハイマーデー」として世界各国で啓発イベントが行われる。大学生らは、キャンペーンカラーのオレンジ色で商店街を染めようと意気込む。
旗振り役は同大学のボランティア部「グローバル・イェン・リープ」(思いを世界へ)。120人ほどの部員がいる大学公認の部活で、地域の高齢者福祉について総合的な窓口サービスを提供している「六角橋地域ケアプラザ」と連携して「住みたいと思える六角橋」を目指し、企画や地域調査を行ってきた。
その中で、今回初めて認知症について知ってもらうキャンペーンを張ろうと、六角橋商店街に打診し、快諾を得た。
3年生の部員(21)は「認知症の方への対応は、意外に知られていない。街に住む人の多くが少しでも知ることで、住みやすい街へと変化していくと思う」と狙いを語る。
飲食店で使ってもらうランチョンマットには、認知症の人との接し方として、「“3つのない”プラス1」を書き込んだ。「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」。そして「否定しない」。マットに関心を持ってもらうために、QRコードで応募できるクイズも掲載し、抽選で3組にテーマパークペアチケットをプレゼントする。ランチョンマットとポスター合計500枚は地元企業から提供を受けた。
1年生の部員(19)は「亡くなった祖父が認知症で、中学生だった私は『なんで覚えていないの?』と当時、冷たく言ってしまった。接し方一つを知るだけで全然違う」と実感を込める。
問い合わせは、六角橋地域ケアプラザ・電話045(413)3281。