(写真・神奈川新聞社)
黒岩祐治知事と在日米陸海軍のトップによる定期的な意見交換会が6日、神奈川県庁で開かれた。黒岩知事は終了後、在日米海軍側から新型輸送機オスプレイを防災訓練に参加させたいとの提案があったことを明らかにした。黒岩知事は安全性に対する住民の不安があるとして、「慎重に検討したい」と応じたという。
意見交換会は冒頭以外、非公開で行われ、黒岩知事と在日米陸軍のジェームズ・パスカレット司令官、在日米海軍のマシュー・カーター司令官、自衛隊や防衛省関係者らが出席。防災をテーマに意見を交わした。
知事や県基地対策課によると、在日米海軍側は、オスプレイは物資の輸送能力が高く、迅速に人命救助ができるため、災害支援活動に有用性があると説明。「関東地方においても訓練をしていく必要がある」と発言したという。長崎県佐世保市と和歌山県の防災訓練では既にオスプレイが参加している。知事は会議後、在日米軍も参加している、大災害を想定した県総合防災訓練「ビッグレスキューかながわ」を念頭に、「住民にはオスプレイの安全性に対する信頼感が十分でない。住民が安心な気持ちで受け入れなければ、うまくいかない」と述べた。
ビッグレスキューは大規模災害時の初動対応における救急医療を主体とした訓練で毎年8~9月に行われ、県や県内自治体、自衛隊、在日米軍、医療関係機関などが参加。昨年は横須賀市で開かれた。
オスプレイを巡っては、昨年12月、沖縄県名護市沖で不時着して大破する事故が発生。黒岩知事と県内の基地関係自治体は、防衛省に対し事故原因の究明と適切な再発防止策や安全性が確認されるまで県内基地周辺に飛来しないよう米側に求めることを要請した。
また、意見交換会では米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)に駐留する空母艦載機部隊の岩国基地(山口県)への移駐について、在日米軍側から移駐後も厚木基地の重要性は変わらないとの趣旨の発言もあったという。意見交換会は2012年からスタートし、5回目。