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(写真・神奈川新聞社)

 

入院患者においしいスープを-。横浜市立市民病院(同市保土ケ谷区)がフランス料理店「霧笛楼」(同市中区)とともに、材料に野菜や海藻のみを使用したスープを開発した。13日から同病院の病院食として提供を始める。

 

スープは手術などで禁食後の患者の流動食を想定し、消化吸収を良くするために植物性食品のみを使用。タマネギやニンジン、セロリなどの香味野菜を中心とする7種類の野菜を昆布、ローリエ、少量の塩のみで風味付けした。同病院では香りも楽しんでもらうためにふた付きの器で配膳し、1日約70食を予定しているという。

 

開発した横浜ガストロノミ協議会理事長で霧笛楼総料理長の今平茂さん(60)は約10年前、腸閉塞(へいそく)などを患った妻の敬子さん(55)が自身のスープを楽しみにしていたのを思い出しながら1年間かけてレシピを考えたといい、「優しい味のスープになった」と満足の仕上がり。小松弘一副病院長は「横浜の名店の味で入院患者の不安を少しでも和らげることができれば」と期待を寄せている。

 

同病院は2010年から霧笛楼を含む市内レストランなど約50社による同協議会や老舗天ぷら店「天吉」(同区)とともに、料理教室や健康レシピ作成など生活習慣病予防活動を展開。今回病院食を開発したのに合わせて、9日に開催した発表会で同協議会と天吉に感謝状も贈呈した。

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