オスプレイ墜落事故について、防衛局担当者らに質問する名護市安部区の住民(左)=21日夜、安部地区会館(写真・琉球新報社)
【名護】名護市安部海岸へのオスプレイ墜落を巡り、沖縄防衛局は21日夜、同市安部地区会館で地元住民を対象にした説明会を開いた。19日にオスプレイの飛行を再開した際に県や関係市町村、同区などへ渡した説明資料をそのまま使い、既に公開・報道されている内容が大半で、環境汚染などについては「調査中」を繰り返した。説明会は住民から質問が相次いだが、約1時間半で終わった。参加者からは「不安や不信が募るだけだった」などの批判が相次いだ。
非公開となった質疑応答では、区民から事故原因の質問や機体が漬かる海の環境汚染への質問が矢継ぎ早に上がったが、防衛局は調査中として具体的な回答を避けた。
黒川清彦内閣官房沖縄危機管理官は「大きい部品の回収はほぼ終了した。小さい部品の回収があと数日、継続される見込みだ」と説明。県警や海保も同席したが、説明役はほとんど防衛局が担った。説明会後、防衛局の本多宏光管理部長は記者団に「(住民からは)環境への影響に対する懸念があった。重く受け止めたい」と語った。
非公開となった質疑応答では、区民らは次々に質問。墜落ではなく「不時着」としたことへの疑問や生活圏の海に墜落したにもかかわらず「(米軍が)海へ落ちて良かったとしていることに怒りを感じる」などの声が上がったという。
説明を受けた比嘉常雄さん(67)は説明の遅れを指摘し「さっと知らせてほしい」、玉城昭亘さん(77)は「人が住んでいない所に基地は移してほしい」などと指摘した。機体が漬かる海の環境汚染の心配に関する質問も10問以上出たが「調査中」「情報が入り次第、お知らせする」などの繰り返しだったという。参加者の1人は「説明できない説明会」と皮肉った。