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すくすく育った金城寧々ちゃんを抱く母親のまゆみさん(右)と父親の勝利さん=2日、うるま市の県立中部病院

 

【うるま】2月に261グラムで生まれた超未熟児の金城寧々(ねね)ちゃんが2日、うるま市の県立中部病院を退院した。両親の愛情や医師らのサポートを受けた寧々ちゃんは退院時には3290グラムまでに成長した。父親の勝利さん(40)=うるま市=と母親のまゆみさん(40)は「優しい子になってほしい」と目を細めた。

 

寧々ちゃんは予定日より4カ月も早く生まれた。主治医の新嘉喜映佳(はるか)さんは「あまり例のないことで本院では初めて。医療機器の1番小さいサイズがぎりぎり利用できた」と語る。免疫が弱く、感染症の治療などで不安定な状態が続き「3カ月経過して安定するまでは、金城さんに『大丈夫です』と言えなかった」と振り返る。

 

治療中、まゆみさんは「心配だったけど、赤ちゃんは頑張っている。赤ちゃんの前では泣かなかった」という。10年近い不妊治療を経て、授かったわが子。まゆみさんと勝利さんは「どんなことがあっても守って、大切に育てよう」と誓っていた。その思いは病院の職員が「まゆみさんは7カ月、ずっと搾乳を続けていた。ここまで続けられる母親はいない」と感心するほどだった。

 

寧々ちゃんの最初の目標は体重が300グラムになることだった。まゆみさんは「体重が増えるたびにうれしかった」と笑顔を見せ、今は目標の10倍にまで育った。勝利さんは「医師や看護師の皆さんにとてもかわいがってもらった」と感謝する。退院時は、多くの看護師が寧々ちゃんの周りに集まり祝福した。

 

退院の日を迎えて、勝利さんは「うれしいけど不安」、まゆみさんは「長い入院生活だったから(病院を離れるのは)寂しい」と複雑な表情。一方で「まずは公園デビュー。それから徐々に水族館かな」と、胸を膨らませる。3人の新たな生活が幕を開けた。

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