遺体遺棄現場の雑木林で慰霊する遺族ら=3日午後、沖縄県恩納村
2016年4月に沖縄県でウオーキング中の女性会社員=当時(20)=が襲われ、殺害された事件で、被害者の遺族ら10人が3日、犯行現場や遺体遺棄現場を訪れた。元米海兵隊員で事件当時軍属だった被告(33)が1日に那覇地裁で無期懲役判決を受けてから、遺族らが現場を訪れるのは初めて。遺族らは花束や果物などを手向け、手を合わせて追悼した。
3日午後0時30分ごろ、遺族らは県警の被害者支援に携わる職員の同行で恩納村の遺棄現場を訪れた。被害者の父親は到着後、花束を手に持ち、涙を浮かべながら献花台の奥にある雑木林を見詰めた。遺族らは約30分にわたって、線香を手向けるなどし、花束や果物を献花台に供え、祈りをささげた。
父親と母親は時折、ハンカチで涙をぬぐいながら供養の様子を見守った。父親は最後に遺体が発見された雑木林に向けて深々と頭を下げて、現場を後にした。
判決後、被害者の父親は「私たちは日々、苦しみや悲しみの中にいる。私たちが娘にしてあげられるのは、娘の痛み、苦しみを取り除き成仏させてあげることだけです。これからも娘を思い供養していきます」とコメントしている。
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