(C)Josh Paler Lin
動画をYouTubeに投稿し、莫大な広告収入を得る「ユーチューバー」と呼ばれる人々が台頭している。新製品のレビューや、おもちゃの開封、メイクアップのハウツーなど、その題材は様々だが、米国のジョシュ・ペイラー・リンというユーチューバーは「いたずら王」として人気を博している。彼の動画は平均50万回前後、多いもので500万回ほどの再生数だが、2日前にアップロードした動画はすでに1600万回を超えている。
それは、ホームレスに100ドルを寄付し、その金をどう使うのかを尾行して撮影するというもの( http://youtu.be/AUBTAdI7zuY )。トーマスという名のホームレスは突然リンに100ドルを渡され、驚きながらも感激と感謝のハグを交わしてその場を去った。彼の後を追いかけるリンのカメラは、リカーショップに入るトーマスの姿を捉えた。「100ドル分の酒を買うのだろう」と誰もが思うはずだ。
しかし、店を出たトーマスは公園に赴き、買ったばかりの食料をホームレス仲間に与え始めるではないか。皆に行き渡ると、また別のホームレスの集団に近づき、再び同じことをする。この姿に心を打たれたリンは飛び出していき、「ごめんよ、あなたが100ドルを何に使うか、ビデオに撮っていたんだ。本当に申し訳ない」と謝罪とともにネタばらし。これに怒るでもなく、トーマスは身の上話を始めた。
病に倒れた両親の看病をするため、トーマスはなくなく仕事を辞めたという。そして両親は亡くなり、治療費がかさんだため家も失った。路上生活を送り始めたのは4か月前のことだとか。「金じゃ買えないものがある。僕は自分のしたことで幸せを手にしたんだ」と語るトーマスの姿勢に感動したリンは、再び100ドルを寄付し、トーマスの衣服を買ったり、仕事に就くための支援をするクラウドファンディングキャンペーンを立ち上げた。10ドルからスタートし、ゴールは6万ドルに設定されているが、すでに4000人を超える人々から8万ドル以上の善意が寄せられている。「情けは人のためならず」という言葉は、まさに真実だった。