お暑うございます。片岡愛之助でございます。
大阪松竹座「六月花形歌舞伎」の通し狂言『湧昇水鯉滝 鯉つかみ』(わきのぼるみずにこいたき こいつかみ)も、いよいよ後半戦に突入致しました。
大阪松竹座『六月花形歌舞伎』(C)大阪松竹座
『鯉つかみ』の大きな見どころは、十二役早替りもそうですが、何より、大詰の大鯉との格闘シーンです。5月の上演時よりもさらにスケールアップして、客席に雨(ミスト)が降りそそぐなか、全力で勤めさせていただいております。
ずぶ濡れになりながらの格闘は体力的にも大変です。
でも実は、いちばん大変なことは、目に水が入って染みても、目が拭けないことなんです!
扮装で白塗りをしていますから、目をこすってしまえば、化粧が落ちてしまう。そうなると、観ていただいているお客様は興ざめとなってしまいます。
結局、花道を引っ込み終わるまで、“目の痛み”とも格闘するということになっております。
先月の公演では、もう中盤から目が真っ赤。ネットでさまざまな目薬を取り寄せて試しましたが、いっこうに良くなりませんでした。
あの大水槽、入っているのはもちろん本水なのですが、初演の永楽館歌舞伎のときは11月。最初に飛び込んだときは震えあがるような寒さでございました。
といって、お湯を使うわけにもいきません。
なぜかというと、厚い衣裳を着たまま鯉と格闘していますと、自然と体が熱くなってきますから、その状態でお湯の中に入っておりますと、まるで温泉! 終わるころにはのぼせてしまうのです。
ですから、水じゃないとダメ。花道を引っ込んだあとには、体の感覚がなくなっているほど、冷たくなっているんですが。
すぐにお風呂に入るのですが、『鯉つかみ』の公演中は、毎日、バスタブに違った入浴剤を入れて、プチ温泉旅行気分を味わうのが楽しみとなっております。
本当は実際に時間をつくって行けばいいんですけどね。なかなか休みが取れません。
なので、昨日は登別温泉の湯だったから、今日は別府温泉と、名湯の入浴剤を入れて当地へ行った気分になっているというわけです。
最近では入浴剤もいろいろあって、いろんな色や泡が出るものなど、楽しめる時代になりました。
『鯉つかみ』はいよいよ6月26日までの上演です。
チケットは、チケットWeb松竹、
http://www1.ticket-web-shochiku.com/pc/
またはチケットホン松竹 0570-000-489 までお願い致します。
さて、僕の親友に市川海老蔵さんがいます。わたくしにブログを勧めてくれたり、ちょっとヤンチャな憎めない男です。
そんな海老蔵さんは大河ドラマ『武蔵』で1年間宮本武蔵役を演じ、翌年に東京・新橋演舞場で『宮本武蔵』にご出演されました。
その『武蔵』で、わたくしはライバルの佐々木小次郎を勤めさせていただきました。
そんな思い出深い宮本武蔵を、わたくしが6月25日木曜日夜9時からのご案内する、BS日テレ『片岡愛之助の解明! 歴史捜査』で取り上げさせていただきます。
最強といわれた宮本武蔵の伝説に、科学のメスが入ります。どうぞご期待ください。
BS日テレ『片岡愛之助の解明! 歴史捜査』(C)永田理恵
そしてもうひとつ、弟子の片岡愛一郎も出演させていただいたテレビ東京系で毎週月曜深夜11時58分から放送の連続ドラマ『LOVE理論』が、6月29日、ついに最終回を迎えます!
大野拓朗さん演じる大学生の今田聡は、思いを寄せる清野菜名さん演じる怜子と結ばれるのか? わたくし演じるキャバクラ店長・水野の“ラブ理論”の最終兵器とは!?
わたくしのユニークな金髪頭もついに見納めです。
でも、ご安心ください。7月からはわたくしが出演する連続ドラマが2本始まります!
テレビ朝日系ドラマ『刑事7人』と、NHK BSプレミアムの『ある日、アヒルバス』の2本です。
撮影も快調。こちらもまた、どうぞご期待くださいませ。。
折り畳み傘が手放せない季節です。みなさまもどうぞご自愛ください。
片岡愛之助
プロフィール
1972年3月4日生まれ。’81年12月、十三世片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』の太刀持で片岡千代丸を名乗り初舞台。’92年1月、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目片岡愛之助を襲名。’07年12月上方舞・楳茂都流の四代目家元を継承し、三代目楳茂都扇性(せんしょう)を襲名した。