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56歳になりましたが、まだ染めてません。ほとんど白髪はありません。肌もつるつるで、しわもあまりありません。ほうれい線ってなんでしょうか? (笑)というくらいの余裕です。特別な老化対策を施してきたわけではありませんが、食べるものへのこだわりは相当かと思います。外食もほとんどせず、自炊です。栄養のバランスもさることながら、安全な食材を自分の目で見て買うということが、愛情の表現の基本だと思っています。神経質になり過ぎてはいけませんが、食べるもので子供の成長に影響は確実に出ると思っています。何よりも愛情をかけて作ったものには、親の思いも加わりますしね。

しかし、料理するうえでもっとも気を付けていることがあります。それは油です。油を変えるだけで寿命が変わる、というのが私の持論なんです。ここ最近、とくに私が拘っているのが、油の摂取の仕方。とくに重要なのが体内では合成出来ない、不飽和脂肪酸の摂取です。

オメガ3とオメガ6は必須脂肪酸と呼ばれ、食事などで補うしかないのです。ところが欧米型の食事をしていると、オメガ6の摂取が過多に。オメガ6にはアトピーや花粉症、アレルギー症状を引き起こす要因があると言われています。逆にオメガ3が、それらを抑制するのです。

とくに近年、オメガ3への期待が増しています。脳の健康維持、悪玉コレステロール低下、骨の健康維持、がん予防と挙げたらきりがありません。オメガ3を多く含んだ油は、亜麻仁油、えごま油、青背魚のオイルなど。逆にオメガ6を多く含む油は、マヨネーズ、コーン油、サラダ油などです。合点がいきますね。オメガ3系の油は火に弱いのでサラダなどにかけて摂取してください。炒め物はオリーブオイル系を使用しています。小さなこだわりですが、油を変えるだけで、内側から変化していくのが実感できますよ。年齢の割に白髪が無い、しわが少ないのは、きっと油のおかげなのだと確信している今日この頃なのです(笑)。

さて、洋風焼売なるものを開発しました。焼売はどこの家庭でも作りますので、そこをちょっとひとひねり、醤油や中華だしを使わない、今までとは一味違った焼売のご紹介です。うちの子は「世界一!」と太鼓判を押してくれましたよ。

主な材料4人分:豚ひき肉250g、玉ねぎ1、モッツァレラチーズ半分(細かくカット)、ドライトマト数個(細かくカット)、にんにく1、ケッパー少々、オリーブオイル、塩・こしょう、野菜だし(茅乃舎のだしを使用しました。野菜ブイヨンでもOK)、タバスコ少々、焼売の皮、です。

作り方:玉ねぎをみじん切りにし、豚ひき肉と混ぜ、オリーブオイル、すり下ろしたにんにくを入れ手で捏ね、野菜だし、塩・こしょう、タバスコを加えます。とろみを感じるまで捏ねてください。左手親指と人さし指で円を作り、そこに焼売の皮をのせ、真ん中をへこませ、薬指で支えながら、まず小さじ1杯分の肉を詰めます。そこに賽の目にカットしたモッツァレラチーズを置き、蓋をするように肉を上から被せ、形を整えたら、ドライトマトの1かけら、ケッパーをトップに押してのせ、皮で蓋をするように包みます。小さなおにぎりを作るような感じで焼売型に形成したら、お皿に並べていきます。沸騰した鍋の上に蒸し器を置き、10分間蒸しますと完成。

フランスはディジョン地方のあまり辛くないマスタード(もしくは洋風マスタード)、オリーブオイル、ビネガーを1対1対1の割合で混ぜたソースにつけてめしあがってください。

見た目は焼売なのに、違う世界へと連れていってくれる不思議な食感と味わいの一品です。

詳しい作り方はこちらでご確認くださいませ。

では、ボナペティ!

エッセイで紹介されたレシピは、
辻仁成 子連れロッカー「希望回復大作戦」ムスコ飯<レシピ>で公開中!

辻仁成/つじ ひとなり

作家。東京都生まれ。’89年「ピアニシモ」ですばる文学賞、’97年「海峡の光」で芥川賞、’99年「白仏」で、仏フェミナ賞・外国小説賞を受賞。映画監督、演出家としても活躍。現在はシングルファザー、パリで息子と2人暮らし。

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