人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!
歌うのが好きな人はもちろん、会社の二次会や子供を連れてなど何かと行く機会も多い「カラオケ」。
1970年代に登場して以来、その名を聞いて何かわからない人はいないほど人々に深く浸透している。
カラオケと言えばボックス部屋に入り、機械に操作して入力すれば歌いたい曲の演奏と歌詞が流れてくるのがお決まりの形。
かつては「歌本」と呼ばれる分厚い本から自分の歌いたい曲を探して、リモコンで入力していたが
全てが機械操作になって久しい。
しかし今は、さらに進化したカラオケがあると聞いて
わたしは調査に挑んだ。
前回も触れた「ひとりカラオケ」だが、世の中にはひとりカラオケを専門にしたお店がある。
わたしが訪れたのは大阪・梅田の『カラワン』、
なんとひとりで歌えるだけではない。
受付で渡されるヘッドホン。
部屋に入れば壁からにょきっと生えたマイク。
これはプロのレコーディングでも使われる「コンデンサーマイク」というもので、
音楽と共に自分の歌声がヘッドホンから聞こえてくるのだ。
奥にある「ミキサー」で、歌声を大きくしたりエコーをかけたりも思いのまま(ただし素人がいじると訳わからなくなって店員さんの助けになりがち)。
ヘッドホンを耳に当ててコンデンサーマイクで歌えば…。
すごいプロ感…!
もはや見た目だけでめちゃくちゃうまくなった感じがするが、
自分の歌が雑音なく聞こえてくるので自分のありのままが分かる。
課題も見つかる。「え…こんな声で歌ってたのか」と絶望することも「あれ?この曲歌う自分めっちゃいい声…!」と惚れ直すこともある。
冷静に自分を見つめるのに最適な空間だ。
さらに両手が空くということで全力ダンスも可能…!
鍵を閉められる上、外から部屋が覗けない仕様になっているので誰にも邪魔されることないヒミツの特訓を体験しよう。
十八番の石川さゆり「天城越え」を情念込めて歌ったとて誰にも咎められることはありませんでした!!
近頃無料でコスプレを貸してくれるカラオケも増えている。
入口に設置されたクローゼットにはコスプレがずらり。
制服から熊の着ぐるみ、巫女さん。
買うほどではないけど一度はコスプレしてみたい…!という人にももってこいの
コスプレ体験が可能なのである。
さらに、コスプレのみならず「コンセプトルーム」が出現したと聞いて
わたしは『ジャンカラ』梅田・お初天神店に向かった。
「鉄道」ルームに、
「学校」ルーム、
「花魁」ルームなど地下1F一帯は一部屋一部屋異なる。
更衣室で着替え、制服を着て学校ルームに入れば気分はまるで学生…!
思わず「巣立ちの歌」を歌いたくなること請け合いである。
通っていた学校の校歌を斉唱してみたり、
「森のくまさん」を歌ってみたり、
みんなの前で歌うのが恥ずかしかったあの頃の鬱積を思う存分ぶつけられる。
花魁ルームでは、妖しい光を浴びながらセクシーな気分に浸れるのが魅力。
花魁風コスプレも用意されているので、必死で歌えるリストの中から艶やかな歌を探すべし。
こんな花魁な環境下で歌ったこともないので、
初めは少し恥ずかしさもあるがいつの間にか吉原一の花魁に育つはず(?)。
もちろん、コスプレは部屋に合わせなければならないわけではないので
平成の学校に迷い込んだ花魁を演じることもできる。
コンセプトルーム×コスプレで無限の可能性が広がるのだ!
店員さんに聞いてみたところ、「コスプレは若い人から年配の方まで結構借りていきますね。女性同士でキャッキャしながら借りていくことが多いです!一番人気があるのは制服ですね。コンセプトルームは通常のお部屋と料金が一緒なので、“それならやってみよか?”って人もいますし、“ホームページ見て予約します!”というアツいお客様もいます」とのこと。
お値段は変わらず、「いつものカラオケ」を「ちょっと不思議なカラオケ」に変えることができる…。
時々はそんな非日常に身を投じてみるのもいいかもしれない。
わたしたちの日常に溶け込んだ「カラオケ」。
歌声を分析して評価する「採点」、実際のアーティストMVが流れる「本人映像」、リアルな音源を利用した「生演奏」…。
日々進化するカラオケに外的要素を足して、非日常に変える。
そこには「遊び」だからこその楽しみが溢れているのだ。
ひとりカラオケ「カラワン」
大阪府大阪市北区小松原町4-27 小松原MDビル1F
24時間営業・年中無休/1時間:一般料金480円~
「ジャンカラ お初天神店」
大阪府大阪市北区曽根崎2-11-24
営業時間:11:00~翌朝6:00/30分:一般料金200円~