「今年3月で、がん告知から24年目を迎えます」と語るのは、ロマリンダクリニック心療内科医師で福島学院大学大学院教授の星野仁彦さん(66)。’90年3月にがん宣告、すぐさま切除手術を受けるも半年後に肝臓への転移が発覚。当時の国立がんセンターの統計によると、5年生存率は“0%”という絶望的な状況だった。にもかかわらず星野さんは今でも健在。そんな彼が、実践してきたのが『星野式ゲルソン療法』という食事療法だ。

 

ゲルソン療法とは、ドイツの医師であるマックス・ゲルソン博士が’30年代に考案した食事療法。塩分や脂肪を摂らず、大量の野菜ジュースを飲むことで体質改善をするもの。ゲルソン博士によると「がんは腫瘍のみではなく、それを生み出す身体の栄養代謝の乱れ」とのこと。そのため、がんにならない身体を食事によって作ることが大切と考えたのだ。

 

「がんは、我々の細胞が何らかの原因で傷つけられた結果、変異したもの。その際に免疫力があれば“がんの芽”を摘みとることができます。食生活を改善すれば免疫力も上がりますから、がんの再発防止になるのです。またゲルソン博士は『がんはナトリウム過多の浮腫状態にある』と述べています。つまり、大量の野菜ジュースを飲むことで、野菜からカリウムを摂り入れ、ナトリウムとのバランスを正常に戻すことを目的にしています」

しかしゲルソン療法は厳格なルールが定められ、順守するのは困難。そこで星野さんが考案したのが、本家ゲルソン療法を7割程度に緩めた『星野式ゲルソン療法』だ。著書「医者が見放したがんと闘う47の法則」(セブン&アイ出版)には次のように綴られている。

 

1.大量の野菜・果物ジュースや生野菜を摂取する

にんじん、季節野菜、国産レモン、りんご等のジュースを1回400ml、1日3回以上飲む

2.無塩食にする

完全無塩生活が理想だが、使用する場合は「ごくごく薄味」で

3.油脂類と動物性たんぱく質の制限

生での使用は亜麻仁油、エゴマ油。加熱する場合はオリーブ油。肉や魚類は摂取しない

4.積極的に摂取するべき食品

いも類、未精白の穀類(玄米)、豆類、新鮮な野菜と果実、堅果類(クルミ)、海藻など

5.絶対に禁止するもの

アルコール、たばこ、カフェイン、小麦、砂糖、食品添加物、精白された白米など

 

「まだがんになっていない人の場合は、原法の2~3割を実践するだけでもがん予防に効果があるでしょう。にんじんジュースを一日に1回200ml以上飲むだけでもOKです!」

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