「シミやシワ、たるみなどのお肌の老化は、加齢によるものが2割。残りの8割は、紫外線の影響といわれています。紫外線を浴びると、メラニン細胞も活性化し、メラニンという色素が増加。それがシミの原因に。また、肌のハリを保ってくれるコラーゲンとエラスチンという2つの繊維が破壊されるため、弾力性が落ち、シワやたるみになるのです」
こう語るのは、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。この季節、とにかく大事なのは日焼けしないこと。肌の露出をさけたり、日焼け止めクリームやローションを塗ったりするなど、対策は万全に。加えて日焼け予防になる食品をとって、体内から強い日差しに負けない肌を作ることも大切だという。
「トマトに多く含まれているリコピンは、メラニンの増加を抑え、コラーゲンを生み出す働きがあります。また緑の野菜も効果的。とくにベータカロテンやビタミンA、C、Eが含まれているブロッコリーやピーマンは、日焼けした肌を修復する作用も期待できます」
加えて、1日2杯のコーヒーが、紫外線から肌を守ってくれるという研究結果もあるそう。
「コーヒーには、メラニンの過剰な増加を防ぐクロロゲン酸が含まれています。これはポリフェノールのひとつですが、強い抗菌作用を持っています。これがシミ、シワ、たるみの原因となる活性酸素の発生を防ぎ、肌の美白を保ってくれるのです」
お茶ノ水女子大学の近藤和雄教授は、女性131人のコーヒー摂取とシミを調査。「1日にコーヒーを2杯以上飲む人はシミが少ないことを確認した」と報告している。
「先日、1日3杯のコーヒーが、心臓病や脳血管疾患などの死亡率を24%も低下させるという、大規模調査の結果が出たばかり。昔は、イメージが悪かったコーヒーですが、最近ではすっかり健康的な飲み物になりました」
ちなみに、小林教授の研究テーマである自律神経にとっても、日焼けは大敵。
「日焼けすると炎症とともに脱水症状に。すると交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスが大きく崩れてしまいます。自律神経が不安定だと血流も悪化。質のいいキレイな血液が、すみずみまで行き渡らないという事態に。これでは、美しい肌が保たれるわけがありませんね」