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稲田朋美衆議院議員(56)は安倍総理の“側近”といわれ、“女性初の総理”候補と目されている。来年の参院選に向け党政調会長の続投が決まった彼女が、本誌記者の直撃インタビューを快諾してくれた。稲田議員が語る安保法制とは。

 

−−9月に可決した安保法制について。安倍総理は「国民の理解が得られていない」と認めているが。

 

「まだ《戦争法案》とか、《徴兵制になるかもしれない》などという不安を持っている方たちには、しっかり説明を尽くすべきだと思います。どんな国でも自分の国を守るって必要。必要最小限の自衛権を行使できるようにしておくのは重要なことだと思います」

 

−−自民党の憲法改正草案では、自衛隊を「国防軍」と表記していますが?

 

「うん、私は自衛軍であろうが国防軍であろうが、名称にはこだわりません」

 

−−核保有に関しては、過去に《日本独自の核保有を、単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべき》(『正論』’11年3月号より)と発言していますが?

 

「っていうか、議論もしないというのは絶対おかしいと思います。ただ、いま核を持つということをわが国で考えるというのは、かなり非現実的だと思いますが……」

 

さらに自衛隊に関して言えば、次のような発言も過去に見られる。《教育体験のような形で、若者全員に一度は自衛隊に触れてもらう制度はどうですか……『草食系』といわれる今の男子たちも背筋がビシッとするかもしれませんね》(前出『正論』同号)

 

「……もう、かつてはすごく勇ましいよね(笑)。徴兵制というのは、まったく憲法に違反していると思いますし、徴兵制で集めて国を守るというのもナンセンスだと思う。でも、たとえば自衛隊に一時期、体験入学するとか、農業とか、そういう体験をすることはすごく重要だと思います」

 

−−それは男子だけですか?

 

「(稲田議員はキッパリと)男子も女子もですね。『やれ』と言っているのではなくて、そういう教育制度として、たとえば農村体験であったり、ボランティアだったり(と同様に)するのは重要だと思います」

 

−−徴兵制とは言わないまでも志願者を募る方法もありますが、若年層の貧富の格差が指摘される昨今、高い日当で募集されたりはしませんか?

 

「そういうことは考えないね、ぜんぜん。いま自衛隊の倍率は7倍ですよ。いろんな動機で入る人がいるでしょうが、基本的に災害から国民を守るとか平和活動をしたいと思う若者が多いと思います」

 

−−安保法制で自衛隊の志願者は減っていくのでは?

 

「本当に7倍ですよ。息子の友人も、海上自衛隊の幹部候補生(の試験)を受けて、入りました。一線で国を守りたいという若者もいますから」

 

−−最後に、“女性初の総理”候補として、今後のビジョンは?

 

「総理はなりたいと思ってなれるものでもないし、努力だけでなれるものでもない。日々の精進も必要だし、タイミング、運、人の輪も必要だと思う。私はいまの日々の仕事を一生懸命することに尽きるかなと思います」

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