「消費税を1%上げると、国にとっては約2.6兆円の税収増となりますが、この金額は、そのまま国民にとっての負担になります。消費税が5%から10%に増税されると、13兆円の負担が国民全体で強いられます。来春、消費税増税を決行すれば、早ければ’14年中にも“経済恐慌”と言える状態に突入し、デフレ状態に逆戻りする可能性もあるのです」

 

そう指摘するのは、経済アナリストの森永卓郎さん。アベノミクスによる株高・企業業績の回復で景気が上向きつつあるといわれている日本経済。しかし森永さんは、増税すれば突然深刻な景気後退に陥ると警鐘を鳴らす。

 

「日本経済がデフレ状態に逆戻りすると、企業の業績は悪化し、雇用は不安定になります。派遣切りやリストラのニュースが毎日のように流れたまさにリーマン・ショック後の’08年のときのような状態になるでしょう」

 

森永さんによれば、増税が景気を悪化させるのは、消費税が3%から5%に上がった’97年にすでに実証済みだという。

 

「あのときは消費税増税に社会保険の負担増を合わせて、9兆円ほどの負担が国民にのしかかりました。その結果、15年間に及ぶデフレスパイラルに陥り、企業の業績悪化、サラリーマンの収入源など、日本経済に与えた影響は甚大でした」

 

『日本を滅ぼす消費税増税』(講談社現代新書)の著者で経済アナリストの菊池英博さんは、今回の消費税増税で一般家庭の収入は大幅に減少するだろうと解説する。

 

「今回の消費税増税が強行されれば、再びデフレに陥り景気の悪化を引き起こします。サラリーマン世帯の平均である年収400万円の家庭での収入は、将来的に年間60万円も減る資産が出ています。消費税増税と社会保険料アップなどで実質的な負担増は今後、年間100万円近くになることも考えられますね」

 

菊池さんによると、増税は一般家庭だけでなく国の財政も破壊するという。

 

「消費税増税こそが、財政を滅ぼす元凶なのです。消費税を増税することでアベノミクスは失敗します」

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